今回は転職、それも下方転職に焦点を
当てて、人生をよりよくする転職は
何かについて、深掘っていきます。
まずは、下方転職とは一体何を指す
のか。簡単に言えば、現職より収入が
下がる。
ただ後述しますが、単純に収入減=
下方転職とは限りません。
それでは一般的に下方転職がNGな
理由は何か。
第一の理由は、給料が安い=仕事が楽
とは限らないということ。
そもそも、給料は個人のパフォーマンス
ではなく、業界の相場で決まります。
地場警備業界なら、大体の相場は
わかるはず。
とはいえこの場合は、給料は横並びで
押さえている可能性がある。
この場合は、業界の事情を知っている
なら、相場もなんとなく分かりそうな
ものですが
業界外へ転職する時には、要注意ですね。
さて、給料が低ければ仕事が楽とは
限らない理由ですが
人間関係がクソだったら、仕事内容
以上に削られてしまう。
一般的には、給料の高さと民度は
比例します。
仕事は大したことはないはずなのに
人間関係が原因で続かなかった。
こんなパターンもあり得ます。
仕事は何をするかよりも、誰とするか
これがキーだったりしますね。
もう一つの理由は、下方転職をすると
自らの市場価値が下がったという
呪縛に囚われる。
実際は思い込みであっても、収入が
下がったという現実が、自己肯定感を
下げてしまうリスクがある。
これ、次に転職活動する時にかなり
メンタル上重大です。
但し、ブラック企業やパワハラ上司から
逃れる手段として行う場合は除きます。
まずは、自分の身を守らなければいけない。
もっともその場合には、転職よりも
一旦休んで立て直しを図った方が
良い場合があります。
過去記事で勧めているように、一旦
労働を離れるのがベスト。
ハローワークで条件を確認し、
職業訓練を利用する。人生の流れを
変える事も可能です。
一般的にNGとされる下方転職ですが、
必ずしもNGと言えない場合があります。
それは、以下のケース。
転職することで、自分の望む
ライフスタイルを実現することが
できる。
収入は下がったけど、労働時間は減り
心身も健康になった。または融通の利く
勤務形態になった。
もちろん、収入が下がることを受け入れ
ストレスになっていないことが前提です。
警備なら、日勤だけの現場になって
夜勤や当務のない分、健康的な生活に
なった。
警備員時代、夜勤のみの機械警備から
日勤のみの駐車場警備に配置換えに
なった同僚がいます。
駐車場警備も、拘束時間は長いの
ですが、日勤のみ。
すると食事が進むようになって
健康になったと。時給単価的には
機械警備の方が高いはずです。
また一方で、産廃業者から警備員に
転職してきた人がいました。
彼はパチンコが好きで、平日昼間に
行きたい。しかし産廃業者のシフトでは
それができない。
それならば、変則シフトの警備員が
パチンコを堪能できる。
彼は給料面はあまり気にしていない
ようだったので、満足気でした。
一方、下方転職を繋ぎと位置づけ
次のビジョンがあれば、これも
悪くない。
僕が最後に勤めた警備会社を辞め、
警備業界脱出を賭けた転職があり
ました。
辞表を出してから、次の仕事を探す
泥縄ぶり。それだけ追い詰められて
いたのです。
それでも、ハローワークで仕事を見つけ
ました。児童福祉施設の求人です。
臨時職員扱いで守衛のような仕事。
最初に見た時は、時間が短いのでパスと
思いましたが、ハローワークのトイレで
座って再考。
求人票を見て、警備業務が活きると
いうことと、公的機関なので今後その
方面の就職に活きてこないか。
これらを勘案し、応募することに。
結局これが、今の仕事に繋がった。
下方転職がNGでない場合とは
何なのか。戦略性があるということ。
自分の人生をより良くしたい。
またはあくまで通過点として
行きたい職場がある。
どちらも行き当たりばったりではなく
未来を見据えています。
収入が下がると言った犠牲を超える
メリットがあるかどうか。望んでいる
ライフスタイルを実現できるか。
収入は減っても、時間を捻出できた。
これを使って人生を豊かにすることも
できる。
資格の勉強や副業、人脈や見分を広めたり
次の転職に備えることもできる。
要するに、新たな生き方の実験が
できる。これ、不安定な雇用で働く
人間にとって、リスクヘッジです。
怖いのは、今の職場に思考停止で
しがみついて、歳だけとってしまう。
貧乏暇なしの蟻地獄にはまって
しまうのは、避けたい。
年収200万円でも、時給単価が
1500円レベルなら、週の半分は
休みという計算です。
収入が犠牲になっても、心身を立てなおす
為に、あえて緩い仕事に就く戦略もあり。
もちろん経済的に許されればの話ですが。
仕事や人間関係がきつくて、どこでも
いいから転職したい。この心理を利用
する、悪どい人も存在します。
これは僕の失敗談ですが
上司のパワハラに堪えかねて
警備業界内転職をしました。
転職したのは、中小地場警備会社。
あまりいい噂は聞きません。
案の定、最初から話が違う。
だまし討ちのような形で配属された
現場も、前社と同じく地獄の一丁目。
イジメが渦巻く、そんな人間が職場を
牛耳っていた。僕は三か月余りでその
会社を脱出しました。
面接では地元最高レベルの時給と豪語する
幹部でしたが、交通費は支給されず
誘導灯の電池も自腹。
当時の僕は、辞める事ばかりが頭に
あって、退職がゴールになってしまって
いた。そんな心理をつけ込まれた。
前職に同僚からしてみれば、なんで
あんな会社に入ったんだろうと思われて
いたに違いありません。
そんな場合は、前述したように
転職ではなく職業訓練を検討する。
そこで一旦心身を立て直す。
上記のような状態というのは
心身ともに疲れ切っています。
まともな判断ができない状態で、
転職で人生をよりよくしたいと
思うのは危険です。
お金や体力・メンタルを立て直した
状態でないと、良い結果は生まれ
にくいもの。
下方転職はあえて戦略的にするもの。
そういった意識というか、メンタルの
余裕がないと、うまくいかない。
宇宙船や人工衛星が、天体の重力を
利用して加速するスイングバイ航法と
いうものがあります。
下方転職をあえてするのは、スイング
バイ航法と似ています。加速して
さらなる目標に向かう。
僕が児童福祉施設に臨時職員として
入ったのは、経験を積んでより良い職場に
転職する未来を見据えていました。
悪く言えば、今の環境を踏み台にして
より良い環境を目指す。
あえて下方転職をする上で行う
スイングバイ航法も、また戦略的な
ものなのです。
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