令和時代の指導法とは

今回は相手を恐怖で支配する
恐怖型マネジメントのデメリットを
深堀りするものです。



コーチングやマネジメントの参考に
なれば幸いです。



恐怖を煽り不安にさせて商品を売る最大の
デメリットは「その先の幸せな未来が一切
浮かばない」こと。



恐怖を煽る段階で相手を否定しすぎて
いないか?といった意見がありました。



商品をサービスと言い換えてもいい。
これを見て、苦い経験を回想しました。



私が最初に勤めた警備会社でのエピソード。



施設警備素人集団の我々が、委託業者と
して市役所に投げ込まれ、引継ぎも
ボロボロで立ち上げを行いました。



当然ミス連発で、クライアント側である
市役所管財課職員は激怒。上司は毎日の
ように呼びだされます。



二言目には、警備会社を替えるぞと
言われるようになりました。



当時の我々の体たらくからして、無理も
ないことです。しかし、マネジメントと
しては、大きな禍根を残しました。



数年後、当時の管財課係長が我々を
「見違えるようになった」と評して
異動していきました。



そりゃ背中にナイフを突きつけるが
よろしく、恐怖で支配すればそうなる
でしょう。



僕らは当時、市役所を追い出されれば
交通誘導、いわゆる旗振りに行かされる。
何が何でも軌道に乗せなければ。



そういった背景もあって、形にせざるを
えなかった。レベルの低い話でしたが。



管財課係長的には、責任を果たした訳
でしたが、その後どうなるのか知る由も
なかった。



冒頭に示した、その先の幸せな未来が一切
浮かばない、そんな環境であったこと
それがどう影響したのか。



私利私欲が横行する職場になってしまった。
特に隊長やそれに取り入って職場を支配する
事実上の裏隊長にとって。



具体的には、異動してきた新管財課係長と
一緒に呑みに行き仲良くなり、こちらから
逆に提案して、主導権を握って行った。



そうやって隊長や裏隊長にとって快適な
環境になっていったのです。僕のような
不満分子を抑えて。権力闘争です。



もちろん入札に負ければ、市役所を撤退
する運命にあり。雇用の保証や昇給も
事実上無い、会社の労務管理も背景にあり。



自分たちが、今が楽しければそれでいい
そんな考えになるのも無理もない。
明日をも知れぬ運命なのだから。



そんな環境では働く人たちにとって、
幸せな未来をイメージさせるのは
厳しいのかもしれない。



しかし、全く無かったわけではない。
ある職員氏が、個人的に市役所守衛への
転職を打診したりしました。



または、評価されていれば
業者が変わっても、制服だけ変わり
市役所に居続けられると。



上記2つは、制度や慣習の壁に阻まれ
結局成しえませんでしたが、
リップサービスくらいにはなった。



このような経験が、もう少しましな
仕事を、と警備業界脱出の原点になった
ものです。



恐怖型マネジメントのデメリットは、
力で抑えた反動が来る。



その他に、幸せな未来を示唆できない
ことで、今だけの私利私欲に走ってしまう。
これを改善するにはどうしたらいいか。



ひとつはフィードバックだけでなく、
フィードフォワード指導を行う。



フィードバックは、起こった結果に
対して、修正や改善を行う指導。



警備はお客様の生命や財産を守る
仕事ゆえ、強い言葉で指導せざるを
えないこともあります。



但し、フィードバックだけが
指導とは言えません。相手を否定
し過ぎてもいけない。



一方フィードフォワードとは、未来を
見据えたアドバイスのこと。



目標を達成するため、あるいは何らかの
課題を解決するために、このようにしたら
どうかといったアイデアを提供します。



フィードフォワードを受ける側の
意識を未来へとフォーカスさせること。



以前僕はある若手隊員に、フィード
フォワードの指導をしたことがあります。



無線で、何番ゲート開錠と言っているのを
聞き、彼に「開錠ではなく、施錠解除と
言った方が警戒感を出せるのではないか」



最初は施錠解除と言っていましたが、
そのうち開錠と言うように。理由を
聞くと、隊長からの指示があった。



無線は簡潔に伝えるように、と。



僕は、それも正解だし隊長の指示には
従うべきだろう。



貴方が指導者になった時、どうするかと
いった問題提起だと結びました。



このようにフィードフォワード指導は
相手の反発を無くし、未来に意識を
フォーカスさせることができる。



彼が将来、警備以外の仕事に就いても
役に立つものではないか、と勝手に
自負しています。



フィードバックだけでは、指導として
片手落ちではないか。加えて恐怖で支配
すれば、デメリットが大きくなる。



フィードフォワード指導も活用して、
長期にわたり、人を動かす意識を持てば
マネジメントも進化するに違いありません。


もう一つは、指導する際に
他人をコントロールしてやろうといった
意識がないものか。


人は自分が変わろうと思わない限り
変わらない。



それをむりやり変えようとする
マネジメントの一つが
恐怖型マネジメントではないか。



プロ野球選手であったGG佐藤さんが
アメリカで体験したエピソードを
紹介します。



アメリカのコーチは朝一番に練習場に
来て、最後に帰る。



ずーっと担当選手の練習を見ているだけ、
一向に教えてこない。



GG佐藤選手は、仕事しろよ教えて
来いよ、と思っていたそうです。



ある時タイミングの取り方が分からなく
なって、コーチに聞きに行った。



するとコーチは待ってましたとばかりに
アタッシュケースの中から、準備万端整えた
GG佐藤選手の資料を取り出した。



連続写真も持っていて、これがいい時
これが悪い時。今こうなっているから
こうした方がいいと教えてくれた。



この資料、俺が聞きに来なかったら
使わなかったのかと聞くと、答えは
YES。



求めてこないものに対して教えても
意味がない、がコーチの持論だった。



アメリカ人コーチは続けます。
もしかしたら日本人コーチは選手を
コントロールしようとしているのでは。



人をコントロールすることはできない。
自ら求めない限り、行動することはない
から



内発的動機付けをいかに生むような
関りをしなきゃいけないんだ。



アメリカは自分で考えさせる文化で、
考えた中で分からなくてアドバイスを
求めてきた時に



指導者はアドバイスとして答えてあげる。
導くリードマネジメントだとGG佐藤さんは
結んでいました。



アメリカの指導が一概にいいとばかりは
言えませんが、恐怖型マネジメントのような
手法がまかり通っている現状はよろしくない。



もちろんプロの野球選手は、自営業の
カテゴリに入るので、雇われとは同列に
語れない部分はあります。



しかし、人材育成という点では共通なので
指導方法もアップデートする必要がある。



選別を前提とした恐怖型マネジメントも、
昭和時代は珍しいものではなかった。



しかし令和になり、選別を前提とした
マネジメントは時代遅れに。



我々は時代に沿った、よりよいコーチングを
模索し、結果を出そうではありませんか。

















コメント

タイトルとURLをコピーしました