最初に、アップル社を創業し
iphoneの生みの親でもある
スティーブ・ジョブズ氏の言葉から。
「最も重要な決定とは、何をするかで
はなく、何をしないかを決める事だ」
iphoneの使いやすさは、何をしないか
言い換えれば引き算で設計されたから、
という意見があります。
今回は、何をしないかを吟味することに
より、仕事の成果を上げていくメリット
について語ります。
我々凡人は、仕事を足し算で考えがちです。
もちろんやるべきことはやらなければ
なりません。
ところが、余計な事もやってしまいます。
他人へのおせっかいもそうです。横から
介入してしまう。
それだけならともかく、余計なことの
多くは、自己主張、それも意見具申の
プロセスにあると観ています。
意見具申?それをやるどこが悪いのか?
そう思うのも、無理はありません。
マニュアルや規定の不備を指摘するのは
大事なことです。時代にそぐわないもの
もあるでしょう。
但し、改善を実行する上でリスク管理
はできているのか。
変えないことで危機が迫っているなら
変えなければなりませんが、懸案レベル
なら、別の脅威も吟味する必要がある。
過去の規定やしきたりを決めた背景を
知り尽くしているなら話は別ですが、
そうでないなら、リスクが発生します。
それは変える事により、裏に隠れた
別の問題が出てきて、もっと深刻な
事態を招く可能性もある。
そうなった場合、変えようと提唱した
言いだしっぺは、責任を取れるのか。
皆さんの周りで、そんな人いますか?
あと「今」変えるべきかといった
タイミングの問題もあります。
タイミングについては、クライアント側の
担当者が変わったり、体制が変わった時が
チャンスでしょう。
ここでは意見具申を例に出しましたが、
何を言いたいかと言えば
人のやっている事や制度の不備を突いて、
指摘する人の根底にある気持ちによって、
未来が左右されるからです。
それをやる人の心の奥底に、他人を抑え
優位に立ちたい。マウントを取りたい。
そんな気持ちはないでしょうか。
そんな個人の功名心、もっといえば欲心
さらに言えば変な話、スケベ心。
組織で働く以上、これらをゼロにするのは
不可能でしょう。業務に貢献したいという
気持ちとのせめぎ合いです。
ただそのスケベ心が、透けて見えすぎると
どうなるか。
変な事になります。ぶっちゃけトラブルを
呼び込んでしまう。
せっかく、他人をリードしているつもり
なのに、思ったように評価されないという
ジレンマに陥るのです。
そんな人ほど、環境や他人のせいに
しませんか。
スケベ心から発するものは、業務に貢献
しないどころか、組織の足を引っ張る。
発する所が邪なら、結果も邪なのです。
一見筋は通っていても、発する所と
タイミングを吟味して、余計な事を
しないセンスが大事なのでは。
最後に、引き算で仕事をする、
余計なことをしないセンスは
警備でも磨くことが可能です。
マウントを取り、仕切るたがる人ほど
余計な言動で角を立てます。
他人の感情に余計な波風を立てるのも
余計な事、生産性を損ねている。
警備隊をスムーズに回し、淡々と業務
遂行して、大きなトラブルがなかったと
いうのが、最高の生産性なのです。
人間関係への配慮を怠り、余計な軋轢を
生めば、生産性に跳ね返ってきます。
結果、無用なトラブルを呼び込む。
これを使う側は評価しているのです。
クライアント側も然り。
加えて意見具申にしても、組織貢献
への純度を高めた意識で行う。マウント
を取ってやろうなんて、もってのほか。
引き算で仕事をするというのは、選択と
集中と言い換えることもできますが
警備から学ぶのは、功名心と欲心を
できるだけ抑えて、余計な角は
立てない、ということでしょう。
引き算で仕事を遂行するほど、組織が
求めるパフォーマンスに近づく。
今回は発する心の在り方にフォーカス
してみましたが、警備からの転職でも
役に立つものです。
自分は職場に何をもたらすことができる
のか。そこに引き算の考えがあれば、
貢献度を上げることができるに違いない。
この、余計な事をしない(言わない)
スキルは、警備からの転職でも
役に立つものです。
転職先で、現場の不文律やしきたりに
馴染んでから、改善提案を行う。正論
よりも、信頼関係を築くのが先です。
ところが、自分が認められたい
もっといえば、他人にマウントを
取りたい功名心が先に立つとどうか。
認められたいが故の、指摘で角を立て
周囲から浮いてしまうこと請け合いです。
警備現場でも、散見する光景。
公の心と、個人が功をたてて認められたい
マウントを取りたいというスケベ心。この
せめぎ合いが、労働者の宿命ですが
結果を見ていけば、どちらが先に立ったか
分かってきます。
それは何かと言えば、結果を出している
ようで、トラブルもセットで呼び込んで
くる。
成果を上げ、認められることばかりで
周りに立てるデメリットを理解して
いないもの。
そういった人は大概他責で、起こった
トラブルを他人のせいにします。
この他責思考が強いと、他人のやっている
事の粗さがしが得意になる。
それでいて、自分が正論で指摘されると
逆ギレしたり、見苦しい言い訳を並べた
りします。
僕個人は、自己責任論は好きでは
ありません。しかし、自分原因論は
支持します。
自分原因論とは、自分を責めるために
あるのではなく、考え方を変えて
自分を客観視してみることにあります。
貴方の周りにもいると思いますが、
他責で批判ばかりする人って、自分の
事が見えていない。
若いころならまだしも、中年になって
これでは、大人としてちょっと痛いです。
自分を客観視できるようになると、
分相応が分かってくる。これは転職に
おいても重要です。
転職で失敗するのは、高望みも
そうですが、分不相応な振る舞いを
して、周りから浮いてしまう。
そして、転職先でも馴染めない
評価されないという不満を募らせて
余計な角を立ててしまう。
その多くは、余計な一言であったり
余計なアクションであったりします。
自分は良かれと思ってやったはずなのに。
ここでも、引き算ではなく
足し算で仕事をしてしまっている。
上司の顔色も芳しくないもの。
仕事とは、相手のニーズに応えること。
ニーズに沿わない言動は、生産的では
ありません。吟味が必要です。
相手のニーズに応えるために、組織の
不文律やしきたりを知って、信頼関係を
築く。改善提案はその後です。
こいつは余計なことをしない、安心して
任せられる、という評価を勝ち取る
事が、転職成功の第一歩です。
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