競争社会から降りる幸福

不本意にも、警備員になってしまった。
こんな思いの人は少なくない。

しかしながら、警備業に従事するのは
競争社会から降りることで、幸福感が
増す生き方もある、という話をします。

医療関係の仕事から警備員に転職した
人がいました。

前職では、心身ともに削られボロボロに
なり、警備員になった。

最初は不本意な転職と思ったのでしょう。
ただ従事するうちに、警備の仕事が水に
合うことを知った。

不満なのは給料だけ、というコメント
でした。それでは何が幸福度を上げ
たのか?

それは、苛烈な競争社会から降りた事。
競争に勝ったからといって、幸福度が
上がるとは限りません。

このご時世、ほとんどの会社は儲かって
も賃上げせず、行き過ぎた株主資本主義
の弊害が出てきています。

やってもやっても報われないなら、生活
できる賃金で、高望みせず暮らそう。
そんな考えの若い人も増えています。

昔(昭和~平成前期)は、終身雇用・
年功賃金が一般的で、出世するポスト
もそれなりにあったわけです。

ところが、バブルがはじけロスジェネ
時代に突入すると、非正規雇用が増え
てきた。

フリーターも、最初は会社組織に隷属
は嫌でやっている、一つの生き方の
代名詞のような響きがありました。

しかしロスジェネ時代になり、正社員
になれなかったので、仕方なくやって
いる、という意味合いが強くなり。

社畜もそうですね。この言葉が生まれた
当初はバブル時代と記憶しています。

会社にしがみついていれば、給料(餌)
はもらえる。

ロスジェネ時代になり、ブラック企業の
社畜になっても、疑似餌しかもらえない
のです。要は働き続けることができない。

正社員が狭き門となり、非正規雇用や
労働集約型産業へに就業が増えていき
ました。

労働集約型産業とは、人への投資が
少なく、マンパワー・ウーマンパワー
に依存する産業。

例えば飲食などのサービス業や、介護
事業もそうですね。ビル管理を含む
警備業も該当します。

このプロセスで何が起こったかと言えば、
競争社会がより苛烈になっていった。
デフレ経済も後押ししたのです。

逆に役員報酬は増え、いわゆる上が
報酬取りすぎ状態になっていった。
既得権益者はウハウハ。

1%のカリスマ経営者が、99%の
富を独占するうように。

こんな競争社会では、過去の武勇伝に
あるような、下からのたたき上げは
ほぼないに違いない。

要するに出来レースじゃ、真剣勝負を
するのも空しいですよね。

そんな歪な社会から離れて生きる方法
はないのか?

冒頭の医療関係から警備員に転職して
幸福度を上げた人にヒントがあります。

警備業は、労働集約型産業の中でも
比較的(あくまで)労働負荷が少ない。
もちろん向き不向きはあります。

特に施設警備は、労務管理がしっかり
していれば、消耗が少ない。隊長職
などの責任者は別にして。

隊員同士の潰しあいにならなければ、
人間関係も比較的穏やかです。

一般の会社は、上からの無理難題を
権力闘争と並行しながらこなすのが
普通です。

上記の負荷が、警備ではないか少ない。
権力闘争はある程度あります。

もし僕のように警備業界に居場所を
なくしても、経験を基に同じような
仕事を探せばいいのです。

いわゆる、異業同職といわれるもの。

これまでの経験をベースに、自分が
生き残れそうな環境を見つける。

競争が少ないか、あっても自分が
勝てそうなステージであること。
この生き方を僕は警備業で学びました。

出世や高収入を諦めるのと引き換えに、
幸福感が増す生き方もある、
ということです。

ストレスも減り、自分を取り戻し
新たな生き方の実験もできる。

まずいのは、競争社会に敗れ警備業に
就くことで、卑屈になってしまうこと。

これまで紹介した通り、警備業を
きっかけに、別の幸せを掴む
事も可能なのです。

警備は目的でなく生き方を変える
手段と考えましょう。


さて、今警備員をやっている人で
警備だけに従事して来たという人は
少ないと思います。

多くは前職から、やむなき事情で警備に
転職してきた、というケースが多数を
占めるのではないでしょうか。

前述した医療関係から警備員に転職した
人ですが

前職の同僚から復帰しないかと
誘われて悩んでいると、SNSに投稿が
あった話をします。

それに加え、転職を含めた人生の決断を
できるだけ裏目に出ないような、そんな
ヒントについても紹介します。

SNSの投稿は、今施設警備員をしている
男性から。前職時代の同僚が転職先で
成功し、自分の倍以上稼いでいる。

医療関係の仕事だけれど、以前心身を
損ねてしまったので、復帰を悩んでいる。
今の職場(警備)は収入以外不満はない。

僕が感銘を受けたのは、以下の返信です。

無理に(警備)捨てる必要はないですよ。
在籍だけして週一で入るのも相談して
みてもいいと思いますし。

(中略)警備なんてやりたい事のため
ならいつでも辞めていいし、戻ってきて
もいいんですよ。

以上です。まさにその通りだと思います。
警備に転職して心身の健康を回復したのは
大成功でしょう。

さて、人生にはいろいろな転機があります。
特に仕事について誘われれば悩みます。

そんな時、仕事に限らず選択が裏目に出て
しまい、後悔したことはありませんか?

大事なのは心の奥底の声に正直に従うこと、
というアドバイスを動画で見ました。但し
それを妨げる要因に気を付ける。

プライドや見栄、怒り、欲望、甘え、疲れ
などが、正しい選択眼を曇らせる要因。

上記をざっくりまとめると、心地よい状態
であれば、かなり間違った選択は防げるはず。

この心地よい状態は、大きな決断
に対しても有効に違いありません。

それだけ、大事な決断ほどその時の心の状態
を、いいものにする必要がありそうです。

ところで以前僕は児童福祉施設で、守衛の
ようなアルバイトをしていました。僕が
最後に勤めた警備会社を辞めた後です。

児童一時保護所の夜間当直員(嘱託扱い)に
空きが出たという事で、僕に打診の電話が
ありました。

僕はその話を聞いた瞬間「行くな」という
心の奥底からの声に従いました。
今思えば正解だったと確信しています。

根拠みたいなものを言えば、僕が警備員を
辞めるような事案は、夜勤の時に起こった
ものです。そのパターンが頭をよぎった。

まとめると、前職時代の同僚が成功して
誘われれば、誰でも復帰について迷う。

前職を離れた理由がはっきりしていれば、
今の仕事のメリットを捨ててまで、行く
べきかリスクを勘案する。

警備は捨てる必要はない、在籍しながら
週一で入る方法もあり。

警備なんてやりたい事のためなら
いつでも辞めていいし、戻ってきてもいい。

転職など人生の重要な選択をミスらない
ためには、心の奥底からの声に従う。

但し、それを妨害する要因もあるので
心身のコンディションに留意し、
心地よくいる中で決断するのがよい。

これからは緩く働き、心身の健康を優先
する風潮になっていくはずです。

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