まず最初に、義憤転職とは何でしょうか。
理不尽さに堪えかね、怒り爆発で転職を
行うこと、とここでは定義します。
SNSで、義憤転職はNGと言う意見を
見ましたが、もし義憤で辞めざるを
得なかったら。
今回は、義憤により退職する羽目に
なった時の、処方箋的記事となります。
一般的に次の仕事を決めてから、
退職するのがベスト、と言われます。
しかしブラック企業や、パワハラ上司
から、緊急避難しなければならない
なら?
散々理不尽なことをされて、精神的に
平静でいろ、というのが無理なこと。
実は僕自身も、義憤転職で辛酸を舐めた
経験があるのです。
パワハラ上司の狼藉に堪えかねて、
突然退職表明しました。もちろん
転職先を決めてからです。
パワハラ上司を、後ろから蹴っ飛ばす
ような退職でした。その時だけは
すっきりしましたが。
しかし、次の職場で待ち構えていた
のは、自己愛的人格障害者の隊員。
僕はモラルハラスメントの標的に。
命からがら、三か月ちょっとで退職。
警備界内転職で、一敗地に塗れたの
です。惨めなものでした。
僕はここで、義憤による退職が悪いと
言うつもりはありません。
義憤によるメンタルの悪化が
転職結果を悪くするのが問題なの
です。
それならば、いかにメンタルを回復
させるか。それをしないと転職で変な
人間関係を引き寄せ続ける羽目になる。
もちろん、義憤で退職してもすぐに
切り替えるメンタルがある人なら
問題ありません。
ただ、筆舌に尽くしがたい仕打ちを
受ければ、簡単にメンタルは回復できない
でしょう。
組織や上司への恨みも引きづるもの。
しかし、その状態で次の環境に移行する
のは、リスキーです。
なぜなら、退職時の精神状態が
転職先の人間関係を暗示している。
ソースは僕の経験から。
面接で、前職での不満をぶちまける
のはNGです。特に人間関係。
直接言葉にしなくても態度から腹に
一物あるな、と見抜かれる事も。
そんな人は、人間関係でトラブルの
種になるから雇いたくない、という
結論になりがちです。
前職で増大してしまったエントロピー
(内面のざわつき)を、如何に鎮めるか。
これが転職する以上、至上命題になります。
業界内転職でもそうですが、業界外転職
(特に上方転職)なら必須と言っていい。
それでは、具体的にどうすればいいの
でしょうか。
エントロピーを鎮める環境に身を置く。
結論を言えばそうなります。
仕事に就かないのがベストですが、
失業給付が少ない場合や、空白期間が
不利に働くなど、デメリットも。
そこで何度もお勧めしている職業訓練が
あります。最低半年のコース。
本来なら、半年と言わず一年くらいは
欲しいところですが、我々が行ける
訓練はほとんど最長で半年間。
この期間を利用して、エントロピーを
鎮めましょう。
職業訓練の期間は、学生時代の生活
サイクルに戻ります。自分の人生を
取り戻す貴重な機会です。
忙しすぎた日常を一旦リセットし、
人生の流れを変えることも不可能では
ない。
職業訓練の期間は、資格取得の勉強も
そうですが、忙し過ぎてできなかった
ことをやるチャンスです。
できなかったことや、好きなことを
するのがエントロピーを鎮めるのに有効と
観ます。
好きなことをやっている時は、
嫌な事は忘れているでしょう。
また、自分の人生を変える試みも
悪くない。資格取得はその一環に
なり得ます。
もう一つ、訓練生にはいろんな年齢層
もしくは経歴の人が集まってくる。
深い付き合いにならなくてもいいので、
彼らの考えや生き様に触れるのも、
リセットの効果あり。
転職は、労働→労働だけとは限りません。
職業訓練という、ワンクッションが
あっていい。
職業訓練は、職場で行き詰ってしまった
人へリハビリを行い、社会復帰を助ける
意義もあります。
但し、戦略的に利用すること。なぜなら
職業訓練を終えると、失業給付はほぼ
ありません。丸腰の状態です。
少なくとも1年は働ける職場に就職する
必要があります。
エントロピーを鎮め、ブラック企業に
就職しない対策も必要なのです。
ところで国がリスキリングを勧める
のは、とてもいいことだけれど
そればかりではなく、長い人生
一回休みくらいあっていい。
学校を卒業して、およそ40年間
最低週5で8時間の労働をしなければ
ならないというのは、どうしたものか。
その中にはいろんな職場や人間関係が
あるはすです。義憤転職をしたくなる
環境もあるに違いない。
メンタルを病む人も増えてきている。
それならば、適度な休みを入れながら
働いてもいいじゃないか。
従来は、働いていない空白期間は
悪とされていました。日本人には
働かされる仕組みがあるのです。
もちろん履歴書上のことなので、
自営や短期のバイトを繋ぐなど
方便で解決することも可能です。
それでも、職業訓練の在り方も変わり
在職中の訓練も支援したりする動きも
出てきています。
要するに、義憤転職せざるを得なかった
人でも、リハビリの機会が拡充されつつ
ある。
義憤転職した人にとって、最大の支援は
メンタルの回復を促す環境。職業訓練は
今のところ最適です。
空白期間を作らず、失業給付を受け
ながら訓練できる。願わくばもっと
期間の長いコースが欲しい。
人生100年と言われる時代、その人の
労働期間より、会社の寿命の方が短く
なっていると言われます。
従来は1つの会社に勤めあげれば、
あとは年金がもらえましたが
今後は、2段目3段目のロケットが
必要になってくるでしょう。
セーフティーネットの拡充と、
一回休み(複数回でもいい)を認める
社会的コンセンサスの形成が急務です。
最後に義憤転職はあっていい。
しかし、理不尽に打ちひしがれた
セルフケアができる環境が必要。
一つの職場で一つの仕事。それを
40年続行するのは、何かの苦役と
思われる時代が来るに違いない。
義憤転職をするのなら、くれぐれも
戦略的に。戦略性があるなら落ちて
しまったメンタルもリカバー可能。
怒り心頭で戦略どころではないかも
しれません、しかし怒っている時は
どこかしら冷静なのです。
退職届を出す前にハローワークに行く。
これだけでも十分戦略的です。
失業給付状況や、その後のアクション
特に職業訓練について下見できるのは、
大きなアドバンテージ。
もっと言えば、いつ辞めれば
自分にとって一番美味しいのか
判断することもできます。
ハローワークは失業してから行く所では
ありません。退職前に行き、その後の
戦略を練るために行くところです。
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