負の指導力


今回は過去記事「攻撃的に言うと」の
続きになります。負の指導力とは
いったいどんなものか。



どんなに正論で、言っている事が立派でも
組織としての生産性がなければ、逆効果と
いう話です。私も身につまされます。



この負の指導力、昭和のレガシーとも
言えるもので、Z世代を中心に受け入れ
拒否の行動に出ているようです。



負の指導力に気づいていない人が使う
ワードがあります。



「嫌われてもいい」「上司は嫌われる
のが仕事」



自ら憎まれ役を買って出たならともかく、
部下から嫌われることのリスクを
計算しているのでしょうか。



もちろん上司は好かれればいいという
訳ではありません。嫌われ過ぎない
マネジメント力が必要なのです。



自分が正しいからいう事を聞け。
昭和時代は珍しくもありませんでした。



今や正論であっても、威圧感や
もっと言えば恫喝に近いアプローチ
では、人の心は動くのでしょうか。



昭和の時代は、俺が全責任を取るから
ついてこい、とセットになっていました。



今や責任も細分化され、一人では負えない。
嫌われても人はついてくる、担保する
ものは、もはやないのです。



かつて勤めた全国系列のビル管理会社
であるB社の隊長も、嫌われるのが
上司の仕事と言って憚りません。



隊長は、前隊長の指導力の低さゆえ
ガタガタになってしまった、警備隊の
立て直しを急務としていました。



私も、隊長の直属の部下である班長と
して、その任務を担当していたはずなの
でしたが・・・



隊長は「他人に厳しく、自分の甘く」が
見て取れる勤務態度で、他人のミスに
対しては、始末書・クビを連呼。



その反面、部下から自分の落ち度を
突っ込まれると、見苦しい言い訳を
始める。



当然部下から嫌われるわけです。自分の
行いを正当化する方便として、嫌われる
のが上司なんだよという論理。



B社隊長のように人事権を乱用して、
部下を抑えつければ表面上は言う事を
聞くでしょう。



ただそれが、長期的な育成に繋がるか。
隊長の目の届かない所で、言う事を
聞かなくなるのは、目に見えています。



または、やったように見せかける
隠ぺいが流行る恐れがある。



隊長は、指導教育責任者の資格を
持っていましたが、警戒棒や警戒杖の
訓練を班長など部下に任せていました。



施設警備2級検定受験を見据えてです。
しかし会社は上記資格の取得に消極的。
当然、訓練にも身が入らない。



「こんなこと、やって何になる」
部下からの本音が漏れ伝わってくる。



隊長は訓練の成果が上がらないことに
苛立ちを覚えたのか、進歩がない!と
部下を叱責。ならば進歩する環境を作れ。



パワハラ上司とはいかなくても、この
上司ウザいなと思われていたら、指導
内容が、身に入らないもの。



B社隊長は、かつて因縁をつけてクビを
切った、元部下の恨みを買ったのか



数年後警備隊の黒歴史をインターネット
掲示板に暴露されました。



それを見たクライアント側が、隊長に問い
合わせ万事休す。



信用を失い、臨時入札で負けTHE END。
全員解雇となりました。



隊長自身は、警備上間違った事は言って
いなかったはず。それ以前の社会人と
しての在り方を突っ込まれたのでした。



結果的に、隊長は部下を指導・育成する
どころが、自分で部下や組織を潰して
しまっていたのです。



負の指導力を持って、部下や組織を潰す。
解雇された部下の人生はどうなる?部下や
組織は、子供のおもちゃじゃない。



私自身も、警備ごっこたる茶番で
頑張ってしまった浅はかさを反省した
ものです。



これからの時代、負の指導力に
気づかない人を、リーダー的存在に
就けるのは危機管理上、よろしくない。



彼らは必ず、トラブルを呼び込む。
トラブルは降りかかるものではなく
呼び込むもの。



こうしてみれば、これからの指導者は
教養に裏打ちされた徳のようなものも
必要かもしれません。



ざっくりいえば、業務知識を持った
人格者がベスト。人の気持ちがわかる
というのがポイントかも知れません。



警備でも、そういった人が指導者なら
安心ですね。問題なのはそんな人が
少ないということ。



厄介なのは、組織幹部が旧態依然と
して、負の指導力に気づかないこと。
そんな人を責任者にしてしまうこと。



負の指導力は、職場の生産性を下げ
職場衰退の原因となるものです。



B社の例は、極端なケースかも
知れませんが、それだけ組織の指導者
や責任者は大事、ということ。



負の指導力を振りかざす上司に仕える
事になってしまったら、どうすれば
いいのでしょうか。



相手を変えるのは至難の技でしょう。
となれば自ら動くのがベスト。



今の職場で実現したいこだわりが
なければ、新天地を目指すのも悪く
ありません。自己責任ですが。



少なくとも、自分が負の指導力を
以て、職場を「支配」する人間には
ならないようにしましょう。



負の指導力は劇薬です。人の心を
蔑ろにして、他人を支配できる。
マネジメントの知識は要りません。



恨みを買った他人から反撃されて、
初めて自分の過ちに気づく。多くは
取り返しのつかない事になってから。



表向き、つつがなく回っている職場
であっても、負の指導力で支配して
いれば、突然ボロが出る。



前述した、インターネット掲示板を
使った外部からの暴露であったり



部下たちの大量退職や、連鎖退職で
業務が回らなくなったり。



幹部は、晴天の霹靂よろしく
慌てふためくものですが、現場は
腐りきっていた。



この手のマネジメントができない
組織は、見限った方がいいかも
知れません。



上記B社は、クライアント側の信用を
失い、契約強制解約に等しい臨時入札で
THE ENDとなりましたが



悲惨なことに、最後までしがみつき
解雇された隊員たちの後日談は、
ロクなことになっていない。



そんな組織に最後までしがみついても
自分の人生に何のメリットもなかった。
組織自体が「進歩」していなかった。



負の指導力と既得権益がコラボして、
隊長のやりたい放題になってしまった
のが原因ですが



それに抗わず、支配されてしまっては
自分の人生もジリ貧になってしまう。
茹でガエルにされるリスクがある。



幸い私は、上記の惨状に堪えかね
2年で退職し、警備業界脱出を志し
職業訓練に行きました。



パワハラ隊長と、文句ばかり百人前で
責任丸投げの、平隊員の板挟みになる
班長は、一見損な役割と言えましたが


いわゆる茹でガエルにならなくて
済んだ、というメリットはあった
のです。



皆さんもこの職場変だな、と感じたら
負の指導力を以て支配されていないか。
これを点検して欲しいと思います。







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