これをご覧になっている皆さんの
中には、不本意ながら警備員になって
しまった人もいるでしょう。
しかしながら、警備員になる事によって
苛烈な競争社会から降りられたので、
新たな生き方を目指そうという話です。
警備員になる事は、必ずしもドロップ
アウトではない。新たな生き方に気づく
チャンス。
さて、競争社会を勝ち抜くために有効な
武器となるのは学歴。
良い学校に入り、良い会社に就職すれば
人生の成功が約束されている。特に昭和
から平成前半まではそれが顕著でした。
それ故「お受験」に熱心になる親も
少なくありません。ただそれが教育虐待に
繋がるケースもあるのです。
お受験にまつわる葛藤で、親子間で悲惨な
結末を迎えた事件もあったりします。親の
自己実現の為に、子供を使うことも。
これの何が問題かと言えば、競争社会の
中でしか生きられない子供に成長して
しまう。生き残る力の偏重教育です。
これは会社などで競争して、他人の
評価軸に合わせて生きるしか
なくなってしまう。
受験に勝ち、就活に勝ち、出世競争にも
勝ち続ける。そんな人、どれだけいるの
でしょうか。
生き残る力だけでは、もう立ちいかなく
なってくる。不毛な競争社会も行き詰って
きている。
それならば、どんな力をつけるべきで
しょうか。これ、年齢関係なく身に着け
られるもの。
ズバリ、人と共に生きる力。
他人と協働して、成果を出す。
実はこれ、僕が警備員になってから
気づいたことなのです。
それ以前は、東京の某大手電機
メーカーの子会社(IT業界)で、
正社員として働いていました。
IT土方とさえ揶揄される労働で、
心身を害して去って行く人が絶たない
業界でした。
そこからUターンして、警備員になった。
当時は職がないから、仕方なく就いた
仕事でした。
交通誘導警備では、息の合った隊員と
組み、成果を出した時の爽快感。
某有名栄養ドリンクCMの「ファイト、
〇〇!」のノリでした。
苛烈なノルマや納期もない。心身
すり減るような環境で、しのぎを
削ることもないのです。
その代わり、待遇はざっーとしたもの。
日給月給制で、ボーナスも寸志程度。
退職金なんてものはありません。
給与も年功賃金の考えはなく、
警備検定手当や責任者手当が
気持ち程度ある世界でした。
警備員時代、一番幸せを感じたのは
気の合う同僚とタッグを組んで、活躍
できたこと。交通誘導・施設警備然り。
そこには競争という感覚はなく、
協働で成果を出すと言ったものでした。
僕が警備員になったことの意義は、
競争社会の縛りから抜けて、待遇の
しょぼさと引き換えに自由を得た。
ここで言う自由とは、終身雇用・
年功賃金とセットになった、世界一厳しい
指揮命令権からの自由。
この自由を得る事で、新たな生き方の
実験も行える余裕も手に入れられます。
待遇のしょぼさと言ったけれど、自分が
暮らしていけるレベルなら妥協できる。
もしそれで不満なら、もう少しましな
待遇で、同職異業の転職をすればいい。
ここまで、競争社会から降りる幸福に
ついて、深堀りしてきました。
お金が欲しい、社会的ステータスが
欲しいのであれば、競争社会で勝ち
続けるしかありません。
だけれども、そればかりが人生じゃない。
競争に勝つ事と引きかえに犠牲にするものも
少なくないからです。家庭や、健康など。
この辺は各々の価値観、もっと言えば
生き方なので、外野がとやかく言う筋
ではありません。
しかし、このブログに来ている皆さんは
緩く生きて、自由が欲しいという人が
多いのではないかと。
気の合う仲間と協働することが如何に
幸せか、それに中年以降気づいて
しまったら。
待遇はそこそこでも、幸福感の高い
居場所を見つけるのが、中年以降の
転職だと考えます。
警備業に就いたのは、そのスタート
ラインだった。僕はそう回想します。
新たな生き方への気づきですね。
繰り返しますが、警備員になる事は
ドロップアウトではありません。
警備員という環境を上手く利用して、
より幸福度の高い生き方を捜しましょう。
警備員は通過点でもいいじゃないか。
人生、投げやりにならなければ
ここ一番の時に、誰かが手を差し伸べて
くれるはずなのです。
投げやりと言いましたが、誰かが手を
差し伸べてくれる自分でいる事が大事。
キレないことです。
ここで、キレるとはどういった状態
なのでしょうか。
20世紀の終わりに、失業中だった僕は
家でナイター中継を見ていました。
ヤクルト対巨人戦です。
巨人のピッチャーは外人G。
すぐにキレると評判でした。
そのG投手、味方のエラー絡みで
ノーアウト2・3塁のピンチ。
元ヤクルト監督であった、解説の
Sさんが、G投手の気持ちを見透かした
ように
「ここでGはキレたら負けですね。
キレるとはどういう事かと言えば
俺は運が悪いんだと思う事」
この言葉が聞こえたかのように、
G投手はピンチを脱し、無失点で
切り抜けました。
話は少し脱線しましたが、競争社会では
勝つ者いれば、負ける者もいる。
何かに負けたからといって、キレる
事はないのです。勝てるステージを
目指せばいい。
それどころか、競争社会のむなしさを
言い換えれば資本主義に行き詰まりを
知ってしまったら
他人と共に生きることができる
ステージを目指せばいい。
そもそも警備のような業務は
数字で成果を出すのは難しい。
だからといって、トラブルをわざと
大きくして、ボヤくらいになった
ものを対処するのを評価してくれ。
そんな人もいるので、困ったもの。
本来は、火の元に始末をして何事も
なかった成果が最上なのです。
余計なお世話ですが、警備において
最上の成果とは、トラブルがなかった
あっても大したことにならなかった。
その成果を出すには、対人関係力すなわち
人柄も少なからず関わってきます。
人柄が良く、周囲の協力を得やすい
人は、トラブルの芽に気づきやすい。
または教えてもらえる。
または、この人に言えば丸く収めて
くれるといったスキルもそうです。
人徳と言った方がいいかもしれません。
警備は、人柄も武器になるのです。
その強みがあるならば、異業同職の
転職で待遇UPも可能でしょう。
従来の資本主義社会とは少し違った
世界で生きることも可能。他人と協働
して、成果を出す世界。
競争オンリーから、共創もあるよと
時代は移り変わりつつあります。
どちらがいいかはその人の価値観です。
向いている方を選び、仕事を通じて
幸福感を上げることに成功すればOK。
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