今回は、職場を良くしようと努力して
きたけれど、これといった手応えがない。
それならば、組織を見限って転職する
のもあり。その理由・背景を深堀りします。
「職場を良くしよう」これを思い立った
人は少なくない。
しかし、厳しい現実の壁に阻まれ
挫折する人も少なくない。
組織を良くしようと言っても
待遇改善なのか、職場に無駄な
しきたりなのかで難易度は変わる。
後者なら、比較的容易だけれど
前者は、労働組合の力を持ってしても
難しい場合も多々あります。
かくいう僕自身も、労働組合の力を
借りて、職場を良くしようと試み、
一定の成果を上げてきました。
職員の欠員を解消せよ、と声を挙げ
続け、欠員補充までは良かったのですが
来た職員は、いわゆる「曰くつき」の
職員で、メンタル疾患を抱えていたり、
休職復職を繰り返していたり。
要するに戦力にならない。欠員状態は
実質変わらない訳です。そんな職場では
曰くつきの職員に対する、イジメに発展。
なぜそんな職場になってしまったのか。
それこそが、今回のテーマの核心に
迫るものです。
人事が、掃きだめ職場扱いしている。
これに他なりません。もっともそうして
きた歴史もあるのでしょう。
これまで組織に属した人間の行いが、
積もり積もって、組織の体質を創って
いく。
この体質を一人の人間が、労働組合など
力を使っても、焼け石に水と言うケースも
少なくない。
ただABCマートのように、一人の従業員の
行動が、組合を動かし処遇改善か勝ち取った
ケースもあります。
しかし一般論としては、組織の体質を
変えるのは容易ではありません。
変えるにしても、組合員の団結と
粘り強い交渉を長年積み重ねることで
やっと目に見える結果を勝ち取れます。
そんな組織で孤軍奮闘し、空しい想いを
するくらいなら、新天地を求め転職も
やぶさかでない。
積もり積もった組織の体質を変えるには
粗療治が必要。
怖い話、人身御供が要る場合がある。
誰かの犠牲を引き換えに、組織の
行き詰まりを改善する。
かつて僕が従事した地元市役所警備
では、クライアント側である管財課
係長と酒の力で仲良くなった警備隊長。
管財課係長は、警備隊長とべったりで
我が者顔の隊長でしたが、次第に職権
乱用じゃないかと疑われる言動も。
そのパトロンとなっていたのが前出の
係長でした。職員と委託業者、拠って
立つところがそもそも違うのに。
会社としては、次回の入札に備え
係長を味方にしておきたかったので
しょうが、入札では負けました。
市役所を撤退して数か月、係長は
別課の課長に昇進しましたが、病に
倒れ、定年を前にして退職しました。
この悲しい結末を見るからに、
所詮は一業者の為に、そんなに仲良く
することはなかったのに。
入札に勝ったら勝ったで、後々問題に
なったのは、想像に難くないのですが。
もう一つは、機構改革によって
組織そのものを統廃合してしまう。
こちらがポピュラーでしょう。
このように、組織の体質とは
個人の力、いや労働組合の力を
持ってしても、変えるのは難しい。
それならば、転職という手段により
環境そのものを変えてしまえ。こっちが
コスパ・タイパがいいじゃないか。
その際、留意して欲しいことがあります。
いわゆるホワイト企業(組織)には
そうなるように努力した人がいる。
命を削る想いで、団結し交渉し今の
待遇を勝ち取っていった。そんな人たちに
対する、リスペクトを忘れちゃいけない。
何故かというと、ホワイト企業(組織)
のベネフィットに、ただ乗りしている
ことになる。
そうでなければ、彼らの意志を継いで
組合活動を行い、さらなる待遇改善に
邁進するのも恩返しの一つです。
何が言いたいかと言えば、ホワイト企業
(組織)に対して、何をもたらせるか。
組合活動だけではなく、業務貢献もそう。
ベネフィットだけ欲しいという、
いわゆるテイカー思考では、
ホワイト企業(組織)からは呼ばれない。
それだけ、組織の体質を創るのは
弛まぬ改善努力があったからなのです。
それを慮って、振る舞うことが
ホワイト企業や組織に入れる
マインドセットでしょう。
自分の属する組織の歴史を知り、
従業員が何を積み上げてきたのか。
組織の体質を知るとことから始まる。
その上で、個人レベルや組合レベルで
改善可能かどうか。人生は短いです。
戦う価値があるかどうかの見極めも。
無理と判断したら、新天地を求め
転職活動をする。
ただ、待遇改善に向け活動して
来たことは、無駄にはならない。
その理由は、活動自体が「ギブ」たる
行為だからです。皆の処遇改善の為に
経費と時間を使うのですから。
世の中には、それにただ乗りする
テイカーがうようよしています。
ギバーたるあなたは、素晴らしい。
前出のホワイト企業(組織)だって
ギバーの要素が多い人しかアクセス
できないようになっている。
だから、組織に対して何をもたらせるか
これが大事なのです。
また待遇改善のプロセスで関わった
人たちとのつながりも人脈になります。
組織の理不尽と戦って、やるだけ
やったら、自らの幸せに邁進しましょう。
経験値は積まれているのです。
皆の為を慮って、ギブする行為もまた
転職活動の隠し味になる。履歴書や
職務経歴書に書く必要はありませんが。
これからの時代、自分だけという意識で
人生が開けていくことは少なくなって
くるでしょう。
これまでは、俺が俺がで自分を良く
見せる事の出来る人が得をする時代
でした。
しかしこれからは、より多くの人を
巻き込んで成果を出していく人の方が
「徳」ある人となる。
従来以上に、徳が重視されていく時代に
なっていきます。
最後に、徳の重要性を説明して
締めくくりとします。
中国古典「書経」に次の件があります。
「人を弄べば、徳を失う。物を弄べば
志を失う」
戦国武将である立花道雪が、主君
大友宗麟を諫める時に使ったと
言われています。
これ実は、前出の警備会社で
待遇の酷さに呆れた当時の隊長が
連絡ノートに書いたもの。
徳を失えば、運も失います。
仕事運が下がると言っていい。
転職は、仕事運を上げてまた別の
仕事運を創り上げるといっていい。
自分のいる職場の仕事運と、自らの
仕事運のミスマッチが起こると
不協和音よろしくギクシャクします。
いろんな面でギクシャクするようで
あれば、ぼちぼち「卒業」のフラグ
なのかも知れません。
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