トラブルは降りかかるもの?


トラブル(人災)は降りかかるもの
ではなく、引き寄せるもの。



エッ?と思った人もいるかもしれませんが
この前提で、今回はトラブルが起きる
背景を探っていきます。



そして、その原因となっている人たちと
どうするかについても語ります。



ここでは、「自分原因論」を元に話を
進めさせていただきます。



自分原因論とはどういったものでしょう。
また、自己責任論とはどう違うのでしょう。



ここでは、以下のように定義します。
自分原因論は、自らの選択に対し起こる
事で、選択の余地があるもの。



自己責任論は起こった事に対して、
他に選択の余地がなくても、自分の
責任になる、という違いです。



人間の心(と行為)は、いいものも
悪いものも引き寄せる力がある。



警備の経験上、トラブルが起きるのは
権力闘争に躍起になり、生産性を欠いて
しまった時ではないのか。



自分の~あるべきを他人に押し付けて、
抑えようとした結果起こる。



一見、理論上は筋が通っていて真っ当に
聞こえるけれど、御為ごかしだったり
するものです。



どんなに筋が通っているようでも、
発するところが邪ならば、邪な結果しか
生まない。



かつて勤めた地場中小警備会社A社が
警備した地元市役所は、警備隊の
権力闘争のただ中にありました。



T副隊長が気に入らない、隊員KとMは
徒党を組んで、T副隊長の粗さがしに
躍起になっていました。



T副隊長は要領は良くなかったものの、
クライアント側の評価も良く、警備隊の
ピンチを救う事もしばしば。



彼の要領の悪さを攻撃し続け、それが
佳境に入った?ころある事案が発生。



電話対応にまつわるトラブルで、警備会社
交代寸前まで行ったのです。



その時の首謀者が、隊員KとM。
因果応報というべきか。



組織として見れば、そんなトラブルの
首謀者に対して、人事上のケジメを
付けるべきなのです。



ぶっちゃけ異動ですね。懲罰的異動。
これができない組織は、いろんな意味で
禍根を残します。



人事上のケジメをつけきれない、A社
市役所警備隊は、クライアント側に犠牲者
が出る、悲劇につながってしまったのか。



このように、人のやっている事や
制度や仕組みへのチェックが鋭い人は
要注意です。



建前上は、業務改善の様に聞こえても
実は、他人を抑えて職場を支配したい。



上司の管理が行き届かない現場で良く見る
光景です。



彼らの得意技は、ペンディングになって
いる懸案事項など、なんで白黒つけない
のかと追及するもの。



上司の怠りによるものもありますが、
ペンディングになっている理由がある。



多くは大した事案にならないから、
ペンディングになっているもの。



例えば、それにメスを入れる事で
隠れていたもっと深刻な問題が発生する
リスクがある。



そこまで考慮せず、相手や仕組みの
落ち度を追求することがかっこいい、
と追及の手を緩めないとどうなるか。



そういうお前は何だ、と言わんばかりの
事案が発生するものです。自分がまいた
種に他なりません。



余計な事をしなければ起きなかった。
これが自己原因論と言う所以です。



生産的な意見具申をするのであれば、
まず上司との信頼関係に留意すべき
でしょう。



ところが現場で他人を抑えるのに躍起に
なっている人には無理な相談です。彼らは
直属の上司も攻撃対象にしますから。



次に、トラブルを引き寄せる人の
見分け方について。



それは結果を見て行けば分かります。
どんな立派な理屈を言おうとも、
結果が全てです。



事案が濡れ衣に近いものであっても、
それを引き寄せてしまったから。



自分の言い分が通らない相手から
責められるのは、自分が同じ事、
生産性のない事をしてきたからです。



前出のA社市役所警備隊、K&Mのように
徒党を組んでいれば、さらに鮮明に
見えてきます。



距離を置くことも大事ですが、事案に
よっては組織として、ケジメ(異動)を
付けなければならない事もあります。



もしケジメを付けきれない組織ならば、
脱出を検討した方がいいかもしれません。



ケジメを付けきれない組織は、いづれ
統廃合など、機構改革という大ナタの対象
になる可能性が高いです。



人間関係を始めとして、組織のエントロピー
増大が、トラブルを呼び込む。



エントロピーとは、熱力学の概念で
簡単に言えばざわつき。



エントロピーが少ない組織程、
円滑に業務が回っていく。



これは構成員が、己の承認欲求より
組織への貢献を優先しているからに
他なりません。



ざっくり言えば個人のエゴより、
協調性が優先され、組織ファーストで
構成員が動いている組織。



もちろん責任者のリーダーシップがモノを
いいますが、構成員のフォロワーシップも
侮れません。



責任者に任命するなら、部下を選ばせて
くれ、という気持ちは分かります。



以前僕が警備員時代、あるクライアントの
アドバイスを聞きました。外資系保険会社
セキュリティー部、担当者の言。



元、大手警備会社の警備長でもありました。



仲の良い隊員で、警備隊を組織しなさい。
仕事だから仲良しこよしでするもんじゃ
ないだろう、と最初思いました。



しかし、人間関係のエントロピーが
深刻な問題を発生させるのです。



例えば仲の悪い者同士が、当務で
組んだらどうなるか。警備は長時間
勤務がネックになります。



足の引っ張り合いなんて生ぬるい
ものではなく、殴り合いのケンカに
発展する可能性がある、



こうなれば、警備隊組織の信用は
地に堕ちます。警備業者交代になる
こともあるでしょう。



そこまで極端な話でなくても、無用な
トラブルを引き寄せてしまうのは、
想像に難くありません。



警備隊の人間関係は極力フラットが
理想です。仲がいいに越したことは
ありませんが。



上手くいっていない警備隊が、異動で
人間関係を改善したら、問題が少なく
なった。



嫌な奴と同じ空間にいるのが
耐えられない。人間関係の悩みは
突き詰めればそうでしょう。



警備業の深刻なところは、人間関係が
事故やトラブルに直結するところ。
交通誘導警備は特にそうです。



人が足りなくて、仲の悪い者同士
交通誘導の現場で組ませたら、
ケンカして片方が帰ってしまった。



これも、会社の信用を落とします。
補充を手配しても、すぐには来ない
でしょう。



トラブルを未然に防ぐために、人間
関係に配慮する。特にトラブル
メーカーを配置しないことです。



逆に、この人がいれば変な事が
起きない。そんな人徳めいたものを
持ってる隊員は、重宝すべきです。


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