まず最初に、ナイトマネージャーとは
何でしょうか?
ホテルや商業施設などで、夜間の最高
責任者を意味します。
今回は、警備責任者に向いていないと
思う人でも、何らかの長所を買われて
命じられるということと
警備で責任者になるようなら、それを
未来の投資、ぶっちゃけ転職に活かし
ましょうという話をします。
私がかつて警備した外資系保険会社ビル。
地元では破格?の待遇でしたが、
リーマンショックで屋台骨が揺らぎます。
リーマンショックの前、私は警備隊の
班長(隊長不在時の責任者)に
命じられます。
隊長は平日日勤のみのシフトのため、
それ以外の責任者が要るわけです。
夜間・休日は現場の最高責任者になる。
当時の警備隊は、人間関係がぐちゃ
ぐちゃで、隊長のパワハラも横行して
いました。
そんな中、班長にさせられてしまった。
隊長に誘われ入社した手前、期待に
応えなくては、という大義名分もある。
加えて会社に、警備業法改正に伴い
常駐警備2級資格を、施設警備2級に
更新してもらった背景もあります。
施設警備の経験のある資格者。
責任者にならなくてどうする、と
いう職場の空気だったのです。
ちなみに私以外の責任者(班長)は
2人いましたが、警備の資格は
持っていません。
使う側の要請でなったものの、
私は責任者が嫌で
たまりませんでした。
というのは、トラブルメーカーとなって
いた隊員が、別の隊員と仲が悪いので
当務で組ませられない。
夜間時間帯は、仮眠のシフト関係で
2人きりになる時もあります。
それ故、トラブルメーカーとなって
いる隊員と当務で組まされる。これが
嫌でたまらない。
その隊員に当務時、煮え湯を
飲まされる事案もあったりしました。
私が退職した大きな要因でした。
しかし使う側の評価は違って
私のことを「ナイトマネージャー」
と呼んでいた。
その理由として、他の責任者が
従事した勤務よりも、トラブルが
少ない。
聞けば他の責任者の当務時は、
変なトラブルでガチャガチャする
ことが多かったようです。
変な話、私は使う側に夜間時間帯の
安心を提供していた結果が、
ナイトマネージャーという呼称だった。
やってる本人は嫌でたまらないのに、
評価が上がっているのは皮肉な話。
そんな中、リーマンショックもあり
私は退職します。周囲は驚いていた
ようです。
私が責任者として留意したのは
①マニュアルの遵守
②人間関係への配慮(協調性)
①は言わずもがなですが、②は
できるだけ周囲に角を立てない
ようにしました。
施設には警備以外に、設備管理・
清掃スタッフ(別会社)もいます。
月並みなことをやっても評価される。
その背景には、見えない何かがあったに
違いない。
使う側は、それを感じ取って評価して
いたとしか思えないのです。
自分は責任者に向いていないと
思っていても、周囲から推されて
なる場合は、何かを持っている。
これは見えざるマネジメント能力と
言っていい。選手(一兵卒)として
優秀なのとは、また別の能力です。
人徳なんていう表現もされますね。
実際、いくら正論を言っても徳が
ないと、人は動きません。
そんなタレント性とも言える能力を
見込まれて、責任者になるケースも
あるのです。
自分から責任者に立候補したのでは
なく、周囲から推されて責任者に
なったら、自信を持っていい。
しかし、自信だけでは飯は食えない。
ここからは、責任者という経験を
どう活かすかについてです。
警備(に限りませんが)の責任者は
スズメの涙ほどの手当で、責任を
負わされます。手当すらない事も。
いわゆる名誉職としてこき使われる。
上記の施設警備時代、別の責任者と
手当は要らないから、平隊員で日勤が
1回増えた方がまし、という話にもなり。
自分の言い分は認めろ、だけれども
責任は取りたくない。そんなことを
堂々と主張できるのが平隊員。
実際、自分のレベルの低さは棚に上げ
責任者の文句ばかり言っていたのが、
当時の平隊員でした。
そんな環境では、長く責任者を続ける
気にはなりませんね。
加えて隊長は、平隊員のレベルの
低さは、班長の責任と叩くのに躍起
でした。二言目には始末書、クビ。
これで警備隊が良くなれば、相応の
理もありますが、警備隊は私が辞めた
後、崩壊していくのです。
責任者として努力をするなら
環境を選ぼう。報われない環境で
努力するのは虚しいだけ。
ということで、責任者の経験を
活かして、そう少しましな仕事に
就く道もあるのです。
第一、資格を持ち責任者に推される
ような隊員は、縁があれば別の仕事に
就く能力があるのです。
それをさせないように、姑息な
手段を使う会社もあります。
頻繁な異動や、研修や研鑽を通じて
個人の時間を奪う。もっと言えば
思考停止に追い込む。
お前しかいない、とわずかな賞賛で
自尊心を満たそうとしてきます。
これには背景があって、現場責任者を
任せられる隊員は少ないのです。
人手不足=有為な人材が足りない。
故に、徹底的に会社に捕縛して
年金まで安く使い倒そうという
思惑なのです。
年金が安ければ、年金を貰いながら
でも、働らかざるを得ない。貧困の
スパイラルです。
そうならない為にも、もう少しましな
待遇の仕事に就くのは、危機管理とも
言えます。
それでは、転職はどういった方向性で
行えばいいのでしょうか。
過去記事で紹介したように、異業同職。
この転職が、経験を活かせる。
警備とやっていることは似ていても、
業種が違えば、待遇も変わります。
たとえば、ホテルの警備員は
委託業者(中抜き発生)ですが
ホテルの従業員として、直雇用で
セキュリティー担当となれば、
ホテル業界の待遇になります。
簡単に言えば、警備のような仕事を
していても、警備業法の縛りを
受けない。警備服を着ない仕事。
施設の守衛や、管理人などが連想
されます。但し待遇は雇い主次第。
異業同職の転職を成功させるには、
相手が、警備業務に理解があること。
責任者としての経験を買ってくれれば
尚更よい。
責任者としての経験は、職務経歴書
などに、しっかり明記しましょう。
リーダー経験は武器になります。
割に合わない責任者経験の元を取る。
理不尽な中、忠実に職務遂行した
経験も、面接で醸し出しましょう。
既得権益にあぐらをかいていたなら
ともかく、警備責任者として従事した
経験は、アピールしない手はない。
転職は自己責任ですが、警備で
こき使われる人生だったと、後悔
しないようにしたいものです。


コメント