諸輩の先入観


今回の話は、職場で一度ついた評価を
覆すのは至難の技であり、挽回する
努力よりも、環境を変えるほうが良い。



警備に限ったことではありませんが、
人間関係には想定外がつきものなので、
参考までに記事にします。



この話は、私が最初に就職した会社で
あったエピソードに遡ります。



90年代の初め、僕は上京し某電機
メーカーの子会社で働き始めました。
IT業界です。



今でこそ、IT土方と言う言葉や
ブラック企業というワードが一般的
でしたが、当時は可視化されておらず。



それはともかく、入社して数年後
僕を個人的に攻撃する上司が現れた
のです。



同じことを同僚がやっても、
お目こぼし。自分がやった時だけ
目くじらを立てて詰めてくる。



その上司曰く「お前のミスで
どれだけ会社が被害を受けるかを
考えると、計り知れない。



お前ほど真面目に仕事をしているような
社員はいないが、中身(業務成果)の
伴わない社員はお前が№1だ」



こうして、退職勧奨へつながっていき
ます。残念ながら当時は知識も頼れる
人脈もなかったので



会社都合退職に持ち込むのは
事実上不可能でした。



上司は、僕のネガキャンを周到に行い
同僚からも爪はじきになるよう、
戦略的に動いていた。



こうなると、四面楚歌で挽回は
不可能に近い。脱出一択ですね。



私は意を決して退職願を出そうと
していた時に、突然地方の工場に
出張応援を命じられました。



職場を去る時に、当時グループリーダー
の役にある人が、僕に一言メッセージを
添えていました。



「諸輩の先入観のない新天地で頑張って
下さい」



諸輩とぼかしていますが、誰のことかは
明らかです。出張応援から帰って来て、
配属した別部署で辞表を出し辞めました。



このように、人事権を持つ上司から
(感情的であっても)疎まれてしまう。
すると職場での立ち位置が危うくなる。



自分が仕事ができるかどうかは、
あまり関係がありません。誰からも
見て、使えないなら別ですが。



こうなれば、もう逃げるしかありません。
大きな組織なら、職場異動という手も。



現代人の労働できついのは、そんな上司
がいつ自分の上に来るか、わからない。
まさにロシアンルーレット社会ですね。



そんな環境で働くのだから、弱者である
自分を自覚して、頼れるリソースを確保
する。



社外の知り合いでもいいし、大きな組織
なら、他部署の情報を得られる知り合いを
作っておく。



すなわち、やばくなったらいつでも動ける
ように準備しておくこと。悲しいかな
これが現状できる危機管理か。



個人でも入れるユニオンもあるので
戦うという選択肢もありますが



職場を去る事が前提とした戦いなので
有利な条件で退職するのが精一杯
でしょう。



まぁ耐えていれば、上司が異動して
変わる可能性に賭けるというのもあり
ます。



ただ、上司がごっそり変わるのはまず
ありえない事なので、一発逆転!と
いうのは、かなり難しい。



仕事の成果は、上司次第でどうにでも
なるもの。成果がでないと、面白くも
なんともないですよね。



特に、個人攻撃されるときついものが
あります。同僚が同じことをしていても
接し方が明らかに違う。



パワハラと騒いで、話を大きくする手も
ありますが、そんな上司は狡猾なので、
組織vs個人に持ち込むでしょう。



そうなれば、戦うより去った方が
コスパがいい。



ハラスメントの記録を取って、会社都合
の退職に持ち込むのがベストでしょう。
自己責任で、退職代行業者を使う手も。



諸輩の先入観に始まるハラスメントは、
ぶっちゃけ大人のいじめです。



いじめに対しては、きっちりけじめを
つけることが、今後の人生を前向きに
します。



ただ去るのではなく、会社都合退職で
去る。私もそこまで持ち込みたかった
のですが、当時知恵も情報もなかった。



「一矢を報いる」よろしく
ただではやられないぞという
意思表示をする。



要は、やられっ放しにならない事です。
気に入らない人間を排除するにはそれなり
のコストがかかる事を教えてあげましょう。



こういった実績を作っていくのは、
イジメに逢いにくい下地を作って
いくことでもあるのです。



一旦そんな目に遭うと、自己肯定感の
回復が急務となります。



私は、最初に勤めた会社を追い出される
ようにして辞め、地元に帰りましたが



また同じ目に遭うのではないかと
働くのが怖くなり、月日だけが
流れて行きました。



それでも、地元中小警備会社である
A社が、緊急雇用対策事業の請負い
バイト募集を出していたので応募。



バイト終了後、A社に就職して
活躍の場所も与えてくれました。



入札に負け、対立していた
上司の敗戦処理失敗を機にA社を
退職しましたが



社長が「辞めないでくれ」と慰留して
くれました。次の仕事の話が来ていた
ので、丁重にお断りしましたが



中小企業、しかもオーナー社長の
慰留は、前職で失った自己肯定感の
回復に貢献したのです。



職業を持って生きる人生は戦いです。
自分を脅かす存在との戦いです。



仕事で失った自己肯定感は、別の
環境で回復するしかない。



小さなものでもいい、成功体験を
積む事が、自己肯定感回復の秘訣。



どんなに気を付けていても、スキルを
高めても、変な上司が来たら終わり。
不都合な真実ですよね。



時間と共に組織も変わっていくので、
安住の地はないと思った方がいい。
世の中は変わり続ける。



それならば、頼れる人脈を社内外に持って
おくのがリスクヘッジであり、敵を作り
過ぎないのもリスクヘッジなのです。



これとは別なリスクヘッジとして、
新たな生き方の実験を続けるという
ものがあります。



副業、投資、人脈を拡げる。
起業に向けた準備もそうでしょう。



不安定な立場で生きていくなら、
上記の行動が最上のリスクヘッジと
なります。



ま、労働者に保証なんてありません
からね。もはや正社員も肩書に
過ぎない。



ちなみに地元中小警備会社の
求人を見ると、正社員募集が
多い。



しかし中身は、日給月給制で
仕事現場から干されれば、
辞めざるを得なくなる。



評価されない環境でいくら努力
しても、自己肯定感は削られる
だけ。



攻撃的な上司に、もっと言えば
パワハラで、自己肯定感を喪失する
ことは、スキル云々以上に問題です。



上司個人の先入観で、自分の人生が
狂わされてしまうなんて、
馬鹿馬鹿しいと思いませんか?



収入や待遇はひとまず置いといて、
自己肯定感を削られない居場所を
見つけることが



心理的安全性を担保された、
人生の幸福度を上げる鍵と言える
でしょう。






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