タイトルにあるセリフは、
漫画「美味しんぼ」で主人公山岡史郎が、
父親である海原雄山に対する想い。
なぜこれを引用したかというと、自分が
警備業界から脱出転職を志している際に、
同じような気持ちになったから。
と同時に、志半ばで起こるシンクロ
ニシティは一里塚ととらえ、前向きに
いこうという事を今回語ります。
まず、シンクロニシティとは何でしょうか。
簡単に言えば、意味のある偶然の一致。
どんな偶然の一致が起こったのでしょうか。
自分が警備業界からの脱出を志し、
職業訓練に通うも、現実は厳しく
一旦警備の仕事に戻ることに。
警備業界4番目に勤めた会社なので、
D社としましょう。地場中小警備会社です。
入社して最初に配属された現場が、
ビジネスホテルの駐車場警備。そこの
責任者で、Nさんという人がいました。
Nさんの下の名前が、ある人と一致していた。
2番目に勤めた警備会社、というより
ビル管理会社(B社とします)のクライアント
側担当者Kさんの下の名前と一致。
B社は全国系列の会社でしたが、
警備は主に外資系保険会社ビルを担当。
Kさんは保険会社セキュリティ部の
担当でした。元大手警備会社の警備長
だったそうです。
B社は当初、地元では破格の待遇でしたが
リーマンショックでブラックの本性を現します。
隊長のパワハラも相まって、退職し
職業訓練に行く背景となりましたが、
ここで警備業界脱出の決意が固まります。
さて、当時D社の現場でシンクロニシティを
体験した自分はどう思ったか。まさに
タイトルにあるセリフだったのです。
まだまだ警備業界との縁は切れていない。
奴らの手のひらの中にいる。
奴らとは誰を指すのでしょうか。警備業界を
牛耳る人たち。それに加えて現場で専制君主
よろしく部下を支配してくる奴らもです。
実際、D社幹部は自分を会社に捕縛しようと
躍起になってきました。息もつかせぬ
職場異動や、指導教育責任者受験の強制。
「お前は、警備業界にとどまるしか
ないんだよ。精々、ビルメン
(ビルメンテナンス)業界止まりだ。」
ビルメン業界とは、警備を含む清掃や
設備管理などをひっくるめた呼称。幹部は
そう思っていたに違いない。
しかし、水面下では少しずつ状況が
変わり始めていた。
結局自分はD社を1年で辞めましたが、
会社に退職を伝えた時、次の仕事は決まって
いませんでした。一般的には無謀な行為です。
退職まで一か月を切った夜勤明け、
ハローワークで見つけた1件の
アルバイト求人が、今の仕事に繋がった。
辞める時は、不安がなかったと言えば
嘘になりますが、どこかうまくいくという、
安心感もあった。
そのベースとなった体験が、
上記のシンクロニシティ。
まだまだ警備を牛耳っている奴らの手の
ひらの中だけれど、シンクロニシティが、
業界脱出の意思をブーストした。
脱・D社!脱・警備!の誓いを新たに
したのです。何が何でも、警備いや
ビルメン業界から脱出してやる。
回想するに、上記のシンクロニシティは
業界脱出の一里塚ではなかったか。
目標や願望を実現するプロセスで、
タイムリーに一里塚が現れるのは、
方向性が間違っていないからと観ます。
目標を決めて、動き出しても自らの決意を
あざ笑うようなことが起きてくる。
それでも方向性が間違ってなければ、
シンクロニシティが起きてくる。
転職は自己責任で自分の人生を変える、
右か左の選択ではなく上か下かの選択です。
自分の身に起こったシンクロニシティは、
過去を清算して新天地に行け、という
メッセージだったのでしょう。
シンクロニシティに対するスタンスが、
未来を決めると言っても過言ではありません。
自分の場合はがっくりせず
より意思を強めたのが功を奏した。
あと大事なのが願望が叶った時の
気持ちに思いを馳せること。
次の仕事が決まりD社を辞める時の心境は、
この業界いろいろあったけど、お互い様
だったね。
恨みつらみが鎮まり、フラットな気持ち
でした。
もう警備はやりつくしたから卒業だと
いう気持ちもあったのでしょう。
あっさりした心境でした。
警備業界を脱出してやったぜ、ヒャッハー!
という気持ちになるかと言えば、そうでも
なかったのです。
転職を決めたのは、自治体の臨時職員であり
条件からして、長く勤められる職場では
ありません。
ただ自分を捕縛しようと躍起になる
警備業界の思惑から逃れることはできた。
最低限の勝利と言っていいでしょう。
前職の待遇を大幅に凌駕する大勝利よりも、
上記のような小さな勝利が、身近に感じ
られるのではないでしょうか。
志はどんなに高くてもいいのですが、
着地点は小さな幸福がいい。
むしろ、大勝利で傲慢になってしまう方が
その後の人生にとって、よくないもの。
このような紆余曲折を経て自分は警備
業界から脱出したのですが、未だに道半ば
という想いは変わりません。それはなぜか。
自分が今の職場に入って2年足ったころ、
見覚えのある、因縁を感じる人が
新たに入ってきました。かつての上司。
自分がB社隊長のパワハラに耐えかねて、
蹴っ飛ばすようにして転職したのが、
地場中小警備会社C社。
C社幹部であり、自分を面接したのが
元上司であった彼でした。C社もB社に
負けず劣らずのブラックで
命からがら、3か月ちょっとで辞めることに。
彼が自分の職場に来たのは、C社が
警備業法違反で処分され、指導教育責任者
だった彼も連座して処分された。
資格は全てはく奪され事実上の業界追放です。
因縁の再会に、シンクロニシティを感じました。
彼は数年間勤めて辞めていきましたが、
これで思ったのはここが終(つい)の
職場じゃない、まだこのあと続きがある。
最初彼と相まみえたときは、警備業界とは
まだ縁が切れていない、と落胆に近い
気持ちになりましたが実はそうじゃない。
警備業界脱出はまだ道半ばで完成途上なんだ。
そうシンクロニシティは教えてくれたのです。
上述のD社の件もそうでしたが、過去の
因縁の清算が行われていたに違いない。
まだ人生をより良くする余地が
残されている。幸福度がさらに上がる
自分の居場所を探し出せ。いや創り出せ。
シンクロニシティは
そう教えてくれています。
まとめると、まだ道半ばと思わせる
シンクロニシティは、自分を客観視させ
より良い人生にブラッシュアップして
くれる、一里塚である。
方向性が間違っていなければ適切な
一里塚が現れる。
現象に一喜一憂するのでなく、心乱さず
邁進せよ。着地点は意外とあっさり
しているもの。
このマインドが新たに得た気づきでした。

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