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今回は、退職しても組織に足跡というか
影響力を残す人材になろう、そうすれば
次につながるという話をします。
いい意味で影響力を残せば、その印象が
伝播して、転職でも有利になる。
逆に、皆に嫌われて辞めた後は転職も
芳しくないものです。
辞めた組織から「戻ってきて欲しい」
とオファーがあるのは、労働者として
冥利に尽きます。
そう、影響力として残すには実績だけ
ではありません。人柄もそうです。
特に警備では、トラブルにならない
よう、潤滑油的な役割も要ります。
人間関係を収める、調整役も貢献の
一形態です。
この人が辞めてから、職場が荒れる
ようになった。ということは生産性に
貢献していた。
このように職場は辞めたら終わりでは
なく、自分の貢献度を測るリトマス
試験紙だったりします。
自分が最初に勤めた警備会社で、
交通誘導警備に従事していた時、
K先輩と良く組んでいました。
K先輩は能力的には高い方では
ありませんでしたが、人柄がよく、敵は
いないんじゃないかと思われていたほど。
残念ながら、40代半ばという若さで
亡くなってしまいましたが、悪く言う
人は皆無だったようです。
人柄もそうですが、自分のやったこと
特に、上司や組織を動かした足跡は
後まで影響します。
具体的には小さくても業務改善を行った。
もしくはそのための問題提起をした。
クライアント側の幹部に評価される
警備行動を行った。
僕が考える影響力として最強なのは
人材育成です。
自分が警備業界で2番目に勤めた
B社でやっていたこと。
B社は全国規模のビル管理会社でしたが
警備は片手間。検定資格については
消極的でした。
それでも、隊長は検定者を増やしたい。
施設警備2級検定者が欲しい。
そこで、同資格保持者の僕に要請し
検定を見据えた訓練を行いました。
主な担当は警戒棒・警戒杖の指導。
夜勤時に指導教育責任者用のDVDを
見て、検定1級範囲まで覚えました。
それを基に部下に指導・実践を行う。
警備していたビルが閉館後、
シャッターの閉まった納品口で。
そこは監視カメラが映る場所で、
クライアント側にアピールする事も
兼ねていたのです。
僕が辞めた後、上記の指導を行う隊員
はいなくなりました。部下にしてみれば、
余計な訓練がなくなりラッキー。
B社としては、検定を取らせる気はない
のに、部下からはこんな訓練やって
何になると思われていたそうです。
成果としては何にもならなかった
けれど、人材育成に従事したのは
自分だけだった。
隊長は指示をして、丸投げ。
指導教育責任者としての事務作業で
いっぱいいっぱいだったのでしょう。
B社はぶっちゃけブラックだったけど、
そこでやった事は成果に関わらず
自分の肥やしになったのです。
すなわち、組織への貢献以上に
自分の人生への影響力が大きかった。
そういう側面も無視できません。
数字で成果の出ない仕事の醍醐味は
上司や組織に影響を与え、動かす事。
もちろん一人ではできませんが、
コラボする協力者を集めることも
醍醐味です。
ちなみに前出のB社は、僕が辞める
直前に、雑踏警備2級検定ですが
会社経費で受験させていました。
結論として、どんな小さくてもいい。
組織の歴史にいい影響を与える足跡を
残そう。
巡回経路の改善とか、鍵のチェック
リストの改善などでもいい。
それがスタンダードとなって、後まで
使われれば、影響を与えたことになる。
職務経歴書でアピールも可能。
言い換えれば、いい意味で影響力を残す
人材はもたらす人材なのです。
そんな人は、ホワイトとまでいかなく
ても、よりよい待遇の職場との縁が
できやすくなる。
いい影響を与えるのは、ホワイトに近い
職場との縁を引き寄せる呼び水になった
りします。
例え退職しても、上司や組織を動かした
影響力を残す人材になろうではありません
か。
ちなみに、使う側の配慮がなく
キーパーソンに逃げられてしまう
組織はどうなるか。
ある人の体験談から。
部長が優秀な部下に言い放った。
「お前の代わりなんて、いくらでもいる」
その言葉に彼は静かに頷き、
翌月には辞表を出した。
退職後の職場はどうなったか。
求人を出すも、未経験者しか来ない。
派遣社員を入れるが、想像と違うと
即辞め。
別部署から応援を回すも、
過労で1人メンタルダウン。 部長が自ら
現場に入り、毎日終電。
それでも納期遅延が発生し、
取引先から契約打ち切りの通告。
最終的にその業務は外部委託になり、
結果的に発生した損失はン百万円に。
人事の視点で見ても、 優秀な人ほど
静かに去っていく。
文句も言わず、愚痴も言わず、
限界を感じた瞬間にスッと消える。
改善アクションをしても無駄だ。
代わりはいくらでもいるのは仕事であって、
人ではなかったと、使う側は気付く。
今の時代、 離職は忠誠心の欠如ではなく、
「自分の価値を正しく扱う場所を選ぶ力」
人材をコストと見る会社は衰退し、
人を資産と見る会社だけが残る。![]()
人を組織で使い続けるには、
忠誠心が肝と思っていましたが、
アップデートが必要らしい。
最大のミスは部長が、代わりは
いくらでもいると、失言した
ことですが
一方で君の力が必要なんだと、
キーパーソンに対して心理的報酬を
与える事を怠ってしまったこと。
目に見える成果を出す人だけが、
優秀ではありません。
一般的に自分を良く見せるのが
上手い人が評価される。声の大きい
人もそうですね。
しかし、縁の下の力持ちも組織に
貢献しています。軽視されるのは
行き過ぎた成果主義の弊害か。
目立たないけれど、組織に貢献して
いた人、角を立てずに人間関係の
調整役になっていた人もいます。
そんな人に去られても、上記の
ような結末になったりします。
人間関係の軋轢は、業務の
パフォーマンスに大きく影響
します。
自分が去った後、職場が荒れて
しまった。目に見える部分では
大して貢献していないようでも
構成員として、業務を回すことに
貢献していたに違いありません。
これも一つの成功なのです。
転職には小さくても成功体験が
大事なのですが、辞めてから
分かる成功もある。
自分が組織にいい影響を与えて
いたからこそ、職場は回っていた。
自己肯定感を上げていい。
そして転職の際、職務経歴書に
人間関係の調整力を自分の強みと
して、適切に表現をしましょう。
戻って来いと言われなくても、
惜しい人に辞められたと、残された
人たちが後悔するなら、大成功です。
辞めても影響を残そう

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