自由を大事にするには


今回は、ある知人警備員の嘆きを聞き
自由に生きるには、何が大事なのか
考えてみたいと思います。



ある公共施設で警備員をしている知人に
会いました。歳は僕とほぼ同じ年代。



彼の嘆きは、待遇的には大きな不満は
ないが、もうすぐ入札がある。



入札に負けたら、身の振り方を
どうしようという悩みです。



第一希望は、今の施設に制服だけ
変わって残る事。いわゆる移籍です。
落札した警備会社次第だと言ってました。



入札してくる会社は、地元では名の知れた
会社です。どの会社が落札するのか。



そうでなければ、撤退した後
別の現場(施設)に入れてもらう。



交通誘導警備も視野に入れているが、
持病(糖尿病)があるので、施設警備
を続けたい。



果たして今の会社に受け皿はあるのか。
彼は続けます。



今の会社には20年御厄介になっているが
長く勤めるだけのメリットはない。



一般の会社のように、昇給したり
退職金があったりするわけではないの
です。



それならば、自分に合った施設を求めて
転職するのもやぶさかではない。



給料は暮らしていける手取り14~15万
あれば十分だ。あと社会保険が付いている
事が条件と言っていました。



決して高望みではありませんね。
あと数か月で結論を出さなければならない
状況で、彼は悩んでいました。



話はそこで終わりましたが、もっと時間が
あれば、業界外転職も話したかった。



というのは、全員とは言いませんが
警備員を志す人の多くは自由を
求めているのではないか。



一般の仕事は、ノルマや納期に追われる
のが普通です。プロジェクトを賭けた
気持ち擦り切れる折衝もあるでしょう。



警備の仕事は1回1回完結する
仕事であるメリットですね。
交通誘導経警備だと特にそうです。



施設警備でも、交代が来れば業務を
引き継いで終わります。懸案事項も
引継ぎになります。



現場の一兵卒でいる限り、他の仕事で
一般的な懸案事項で悩むことが圧倒的に
少ない。



こうして、精神的な自由を求めて警備
に来る人もいるのではないか。



僕が警備からの転職で、高望みはNGと
言う理由は、待遇と自由はトレードオフ
だから。



かくいう僕も、10年ほど警備員を
やっていたのは、自由が気に入っていた
から。



そして自由をある程度維持できる仕事に
転職したのです。



警備も仕事の切れ目が縁の切れ目という
所が、非正規雇用と似ています。待遇も
非正規雇用に近いもの。



非正規雇用に、仕方なく就いた人も
いるけれど、自由が欲しくて選んだ
人もいるのではないでしょうか。



待遇はそれなりでも、自由を求めて
警備に来た人は、その延長上にある
仕事を求めた方が、幸福度は高い。



待遇の低さや、雇用の不安定さと
引き換えに得られるメリットもある、
という事です。



こう言うと、労働者としてはいささか
不届き者のように聞こえるかも
しれません。



ただ、これからの働き方の流れとして
組織への帰属意識が希薄になっていく
というのはあります。



従来の雇用は、待遇の良さと引き換えに
厳しく管理され、プライベートの時間
さえ、差し出さなければならない。



仕事だけが人生じゃないよ、といった
価値観も認められるようになったら、
自由重視の雇用もあっていい。



理想を言えば、責任や負荷に応じた
待遇であればよい。労働者の階層化
と言い換える事も出来ます。



いずれも、自分で選べる事が重要で
強制されて仕方なく、というものでは
ない事が前提です。



要は、生き方に合わせて仕事を選ぶ。
今までは逆でした。仕事に生き方を
合わせていました。



警備をいう仕事に就いてみて、自分が
気づきを得たのはその点です。自由と
いう、禁断の実に気づいてしまったか。



ここに来ている皆さんも、何が自分の
人生にとって、一番大事なのか。これに
着目したらいいと思います。



医療関係から警備に転職してきた人が
不満なのは給料だけで、あとは満足
していると語っていました。



警備が天職とまでいかなくても、
自らの幸福度を上げる手段として
役に立つなら、やってみる価値あり。



そこでキャリアを積んで、これは
違うなと感じたら、異業同職の転職を
すればいい。



ポイントは、警備であってもそこで
積み上げたものを活かすということ。
人脈だって作れます。



まるで、わらしべ長者みたいな
戦略ですね。



警備員に不本意ながら就いてしまった
人もいるでしょう。しかしながら、
諦めてはいけない。



警備の仕事の延長上に、幸福度を
より高める、生き方を発見できる
可能性がある。



まずいのは、俺は警備員になって
しまった。人生ここまでだと悪い
諦観をしてしまうこと。



こうなると、今いる環境を己の
快適なものとするよう、権力闘争に
躍起になります。



気に入らない奴は辞めさせろ。
刃向かう奴は、排除するぞ。
いわゆる現場の主ですね。



この現場の主、別に隊長職や
警備検定の有無は関係ありません。
他人を抑える力があればいい。



ただそうすると敵が増えていき、
権勢を振るっていた現場を入札等で
失うと、反撃を食らうことに。



その辺まで計算して、立ち回れる
なら、生き残れるのでしょうが
業界での立ち位置が、狭まって行く。



要するに、自分で自分の仕事運を
損ねているのです。



そうなるくらいなら、真面目に
従事して、検定資格を取り
現場のリーダーも経験する。



敵を作り過ぎず、警備員としての
矜持を大事にする。



矜持(きょうじ)とは、自分の能力に
誇りを持つことです。決して他人を
辱めることで得られるものではない。



警備隊と言う、狭いコミュニティの
中で、お山の大将になろうとする
人は、もやは上を見ていません。



それに対して、警備の先を見据えた
人の考えは違います。



警備に就いて、一旦自由の魅力を
知ったけれど、その延長上に
もう少しましな待遇の仕事はないか。



小さくても警備員として成功する
ことが、次につながるということを
知っている。



自由とは与えられるものでは
ないのです。自ら育てていくもの。



仕事運を上げる事に留意すれば、
その場をその場を抑えることだけを
考えて行動する人と、差が付きます。



もし貴方が真面目に警備に
従事しているのに、
行き詰まりを感じているなら



もっとましな環境を目指せと言う、
天啓(メッセージ)かも知れません。



加えて清掃や設備管理など、自社
以外の人から、君はいつまでも
警備をするべきじゃないと言われる。



こう言われるならほぼ鉄板かも
しれない。客観性があるからです。



転職は自己責任ですが、よりよい
生き方を求めるのもの。



転職活動をするだけならノーリスク
なので、はじめの一歩を踏み出して
みたら。








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