今回は、警備に限らず花形ポジションで
仕事をしないと、評価されないのか。
日の目を見ないポジションでは、
うだつが上がらないのか、といった
話をします。
サッカーで言えば点取り屋のFWや
トップ下。ファンタジスタなんて
言われたりします。
しかし、中盤以前で敵の攻撃を
体を張って防ぎ、得点を許さなかった
選手は目立たない。
それでいて、失点して負ければ
めちゃくちゃ叩かれ、戦犯扱いされる。
目立たない割に、責任は重い。
日本代表でも、キャプテンを務めるのは
中盤以前の選手が多い。皆の精神的支柱
という役割も求められます。
サッカーに話は逸れましたが、会社で
言えば総務の中でも経理部門がそれに
近いでしょう。縁の下の力持ち。
さて、警備(特に施設警備)で言うなら
花形と言われるのはどういうポジションか。
責任者とは限りません。
自己主張が強く、他の隊員を抑えることが
できる人。要は現場で自分の言い分を
通せれば勝ち。
自分の発言に責任を負う必要がないなら、
責任者ではない方が有利です。
一番コスパがいいのは、隊長とつるみ
影から職場を支配する形態。さしずめ
裏隊長といったところでしょう。
隊長がクライアント側との関係良好なら
裏隊長は、その威を借りればいい。
そんな職場で働いていては他隊員は、
面白くないしやりがいも少ないでしょう。
但し、そんな姑息な支配の在り方は
ツケを払う事になります。
それは、自分の発言に責任を取らないと
いったもの。
あんたは以前はこう言ったじゃないか、と
突っ込まれれば、逆切れするか見苦しい
言い訳を始めます。
いくら目立っていても、自分の発言に
責任を取らなければどうなるか。
ここが警備からの転職で大事な
ポイントです。
僕は以前、警備からの転職で
リーダーシップは武器になると
言いました。
リーダーシップとは、ここで深堀りし
定義すると、自分の発言に責任を持って
業務遂行できる人。
普段の威勢の良さとは裏腹に、自分の
発言の手前、都合が悪くなると腰が
引けたりします。
その矛盾が社会人としての評価になる。
他人を抑えるという事と、リーダーシップ
は同じじゃない。
自分の言い分は通したい、だけれども
責任は取りたくない。警備でもよく見る
光景です。
警備からの転職で上手くいくには、責任者
として従事した経験がものを言います。
または責任者でなくても、自分の発言に
責任を取る事に留意して、経験を積む
ならば、道は開けるでしょう。
目立っている者、言い換えれば
要領のいい者に翻弄される職場では、
なす術はないのでしょうか。
もちろんシンプルに転職する、という
方法もあります。自己責任ですが。
業界内転職だと、従事する人間の相場と
いったものが知れてきます。僕のように
警備業界そのものが嫌になる可能性も。
地味に社会人としての実力を高めて、
言い換えれば仕事運を上げ、もう少し
ましな業界を目指すのがいいのでは。
警備隊内の権力闘争に明け暮れるあまり、
目先のマウントに勝つことばかり躍起に
なると、社会人としてのステータス下降。
他人や組織に対して、生産性のない批判を
するほど、仕事運は下がっていきます。
そんなことをしている暇があるなら、
自分の発言に責任を持って、淡々と
業務遂行する方が百倍マシです。
目立って職場を支配している人たちが、
必ずしも社会人としてのレベルが高い
とは言えないのです。
知人の職場で、隊長より副隊長が
部下から信頼されている
ケースがありました。
副隊長の方が、社会人としてのレベルが
高かったに他なりません。クライアント側
も気づいてはいるでしょうね。
目立つのは、いい面も悪い面も厳しく
見られるもの。そんな彼らのボロが出た
タイミングで行動を起こすのも手です。
組織としては、体制上の動きはない
かも知れません。
しかしながら、地味に実力を練っていた
人にはチャンスなのです。自分の合った
職場への異動をアピールする好機。
目立っている者が、口で言うほど大した
働きをしていなかった事実が明るみに
出る。要は馬脚を現した。
もし異動できなくても、転職に向けて動く
好機でもあります。これまで積み上げた
実力を点検してみましょう。
転職(自己責任ですが)にしろ、
異動にしろ、動くタイミングが命。
その目安として、目の上のたんこぶ
だった人間が、何かやらかしてドジを
踏んだ。
相対的に、自らが浮上するチャンスと
捉えることができます。
以前私は、最初に勤めたA社という
地場中小警備会社で上記の葛藤を
抱える羽目に。
別警備会社から移籍してきた上司が
権勢を振るい、彼の息のかかった
部下が優遇されるように。
私自身は、警備する施設で
クライアント側からも評価されて
いたのですが、会社人事とは別。
入札に負け、警備する施設を撤退する
時になって、辣腕を振るっていた上司の
器が知れます。
当時A社には、撤退する施設の隊員を
すべて収容する、受け皿たる別施設の
余裕はありません。
だからといって、新しく落札した
警備会社への移籍は認めない。
A社とは仲の悪い警備会社でした。
上司の息のかかった隊員たちは、
さっさと別の施設の異動していき
ました。
一方私は宙ぶらりんの状態になり、
干されてしまった。A社が嫌になった
僕としては、辞める絶好の機会。
元同僚からの誘いで、別警備会社へ
転職することになるのですが
その際上司の敗戦処理の失敗を挙げ、
やむなくそうなったと社長には説明。
かくして上司の息がかかった隊員が
牛耳る環境を脱したのです。
隊長をはじめ彼らは口が立ち、
要領よく立ち回って、自分を良く
見せるスキルに長けていました。
その反面、嫌なこと面倒なことに
ついては部下に振ってきました。
名ばかりの副隊長だった私に。
そんな冷や飯食いで、入札に負けて
干されてしまった。そんな私でも
捨てる神あれば拾う神あり。
要領のいい人間でも、こける時は
ある。そんな時こそ、後塵を浴びて
きた側にとって、チャンスです。
やるべきことをやって、評価を得て
逆転のチャンスを虎視眈々と窺う。
この忍耐が、要領の悪い人間が
要領のいい人間に勝つ方法では
ないか。
警備に限らず、自分を良く見せる
人が評価されやすいのは現実として
それでも、忍耐強く逆転のチャンスを
待つ、戦略もあるのです。
要領のいい奴らに、正面から戦っても
勝てる確率は少ない。それならば
ボロが出た時に、畳みかける。
その準備を怠らない、観察眼を磨く。
逆転のチャンスをものにできる人が、
要領のいい人間に勝つのでしょう。![]()
目立った者の勝ちなのか

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