人間は、窮地に陥った時に
必死に扉をこじ開けようとするけれど
最初から開いている扉もある。
今回は、入札などで現場を失い
次の職場を必死になって探す一方で、
開いている扉にも気づこう、という話。
高じて、縁を大事にすれば
策を労さずして次の仕事にありつく
ことも可能なのです。
僕の体験から言えば
警備業界からの脱出を志して職業訓練に
通っていた頃。
設備管理の仕事を目指して職業訓練に
臨みましたが、現実は厳しく訓練終了が
近づいても、職は決まらず。
仕方なく、地元市役所の緊急雇用対策事業
に御厄介になることに。
市が管理する駐輪場を巡回し、違法駐輪や
不法投棄を監視し、マナーアップの
啓発活動を行うのが主な仕事。
有料駐輪場の管理を委託しているのは、
地元の警備会社でした。業務上繋がり
があったのです。
そこの担当者に、僕が施設警備検定2級を
持っている事を話したのです。
緊急雇用対策事業が終わりに近づいた時、
僕の携帯に電話がありました。電話主は
その警備会社の担当者。
ある公共施設警備で、欠員が出た。
検定2級者が欲しいので、ウチに
来ないか、というオファー。
職業訓練に通い、2種電気工事士や
危険物乙四、ボイラー2級が役に立たず
施設警備検定2級が役に立つとは・・・
当時僕は、警備業界からの脱出を目指して
おり、設備管理の仕事も諦めきれなかった
ので、断ったのです。
結局その半年後、僕はその警備会社に
就職することになりました。
僕が最後に勤めた地場中小警備会社だった
のです。
今思えば、オファーのあった時点で就職
すれば、仕事に穴は空きませんでした。
ただ、警備業界からの脱出を期して
職業訓練に行った手前、ホイホイと
警備業界に戻っていいのか。
過去の、忌まわしい体験が脳裏に浮かび
ます。
それでも、仕事をしながら転職活動を
する方法もあった。警備に一旦戻る事は
負けではないという、考えもある。
いずれは警備業界を脱出してやる。その
通過点という捉え方です。
そういった場合は、条件を付けるといい。
勤めても1年。
1年勤めれば、失業給付の資格が得られる。
じっくり腰を据えて仕事を探すなり、別の
職業訓練に行くこともできます。
警備が嫌という僕の精神状態を考えれば、
1年が限界と観ます。使う側がどう出て
くるか、想像に難くない。
案の定、就職した会社では
僕を徹底的に捕縛する戦術に出て
来ました。
お前は、警備しかできない。だったら
つべこべ言わず黙って働け。指導教育
責任者を取り、年金まで格安で使ってやる。
どこの警備会社に行っても、同じような
扱いを受けるに決まっています。そこで
働いても1年という落としどころ。
1年だけど勤められる、扉は空いていた
のです。血眼になって仕事を捜さなくても。
閉まっている扉をこじ開ける労力を使う
なら、一旦開いている扉に入ってそこで
また考える、という生き方もあった。
幸い僕は、会社に退職願を出した後、
児童福祉施設の守衛職の仕事にありつき
警備業界を去りました。
その仕事は、時間が短くアルバイト
扱いで、長期にわたり勤める類の
仕事ではありませんでした。
苦し紛れに見つけた求人でありましたが
これも、ある意味開いている扉だった
のです。
求人を最初見た時に、これはスルーだ
と思いましたが、ハローワークの
トイレで再考し、応募することに。
その仕事が、今に繋がっていたのです。
自分で行けそうだと思えば、とりあえず
応募してみる。
このスタンスが好機を逃しませんでした。
自分で行けそう、と思えるのは
開いている扉の可能性大。少ない
労力で結果を出すことができる。
さらにその延長上に、予想もしない
縁が埋もれている可能性もあるのです。
二歩先、三歩先にサプライズが。
転職はエネルギーが要るものです。
開いている扉を利用して、自分の消耗
を抑える、そんな方法もあるのです。
ところで、開いている扉にありつく
または気づくために、留意したい事が
あります。
それは、縁を大事にすること。
仕事運を高めることも大事です。
この2つは、知識やスキルを上げて
自らの市場価値を高めるよりも
コスパ・タイパに優れる事もある。
もちろん転職で給与大幅UPを
目論んだ待遇の大きな改善を望むなら、
自らの市場価値を高める必要あり。
但し、上記のような高望みしない
転職ならよりよい縁を繋ぐ努力を
した方が、労力は少なくて済む。
開いている扉に呼ばれる自分で
あるのが、ベストです。
それでは、そんな自分になるには
どうすればいいのでしょうか。
前述した僕の体験では、警備業界で
煮詰まって、苦し紛れに応募した
求人に縁があった。
そこから警備業界、いやビル
メンテナンス業界脱出に繋がった。
縁を大事にするには、今の仕事に
忠実に仕える事、投げやりになって
仕事を粗末にしないこと。
これは、一緒に仕事をする仲間とも
同じです。周囲を雑に扱えば自分の
雑に扱われます。
真剣勝負の果てに、警備業界脱出が
あったのです。といっても堅く考える
ことはありません。
いわゆるお荷物隊員になっていなければ
合格。
もう一つは、自分のコンディションが
整っていること。仕事運を上げる
事にも通じます。
辞めたい一心で、辞めることがゴールに
なってしまっていては、転職しても
結果はおぼつかない。
難しいところですが、如何に自分の
気持ちをフラットに持っていく事が
仕事運を上げていくポイントです。
心がささくれ立って、不平不満や怒り
などで満たされていると、いい縁
すなわち開いている扉に行きつけない。
それどころか、変な縁を引き寄せて
しまう可能性も高くなる。仕事運が
下がってしまうとそうなる。
これを防ぐには、余裕を持って転職する
カツカツの状態での転職を避ける。
特に経済状態は深刻な影響を与えます。
辞めるなら、ある程度の貯金が
セーフティーネットとなります。
僕は最後に勤めた警備会社に辞表を
提出する前に、ハローワークに行き
失業給付があることを確認しました。
貯金額が心もとないなら、最低限
失業給付について、確認する事を
強く勧めます。
丸腰状態で無職になると、IQが下がり
冷静な判断が困難になります。
ブラック企業→ブラック企業への転職は
このパターンでしょう。
周囲に貴方のことを客観的に見て
くれる、助言者がいれば話は別
ですが・・・
最後に例え窮地であっても、開いている
扉にアクセスするには、これまでの行いが
大きく関わっている。
周りを敵ばかりにしてしまう言動や
恨みつらみで心が満たされてしまう
コンディションは、仕事運を下げます。
開いている扉にアクセスするに値する
仕事運があって、たどり着けるのです。
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