人付き合いが下手でも


警備はサービス業の要素があり
(特に施設警備)コミュニケーション
能力が大事な仕事です。



これで行くと、僕は人付き合いが下手だし
人間も嫌いだから、警備業には向いてない
と思うかも知れません。



しかし、それは知識や学びで克服できると
いう話をします。以下警備員だった人の
SNS投稿から。



人付き合いが下手な人、人間が嫌いな
人ほど、サービス業がうまいんだよね。



私は警備員をしていたので、ルール違反を
している人に話しかける業務が生じる。



でもね、注意しに行く、という意識は
捨てる。そうではなくて、腰を低くして
お願いしに行くんだよ。



まず第一声はあいさつだね。
「恐縮ですが、失礼いたします!」
とか「こんにちは!」とか大声で言う。



例えば、スケボーで遊んでいる若者集団
だったら



「お楽しみ中のところ、申し訳ございませんが、
ここは遊具の利用はご遠慮いただいております。
どうぞ、ご協力いただけないでしょうか!」



と言って頭を下げる。こうするとね、
大抵の人は嫌な気分がしないで
私の言う事を聞いてくれるよ。



移動し始めたらすかさず、
「ご協力感謝いたします!」と大声で言う。



私はいつもそうしていたよ。だから、
お客さんから苦情をもらったことがない。



これができない警備員が多かった。頭も悪いし、
態度も悪いから、あの警備員はなんなんだ!と
苦情が入る。



できの悪い隊員ばかりなんだよ。他人様に
注意する、というのがどれくらい気を使うのか
分かっていないのよ。



ダメ隊員だと、いきなり、ここは
「遊具禁止です!」とぶっきらぼうに
言うだけだ。



全然、サービス精神が足りない。
ムッとするでしょ、そんな言い方では。
お前は警察官か?と言いたくなる。



我々はサービス業だぞ、と。分かっていない。
人付き合いも苦手だし、人間も嫌いだけど、
私の方がそういうところは繊細だった。



絶対に外さなかったね。相手の感情を
害さないように努力したよ。
というものでした。



この人の素晴らしいところは何でしょうか。
まずはアプローチ。挨拶から入る。



まずコミュニケーションのきっかけを作り
言いにくい所を、枕詞でクッションを使う。



お楽しみのところ、申し訳ありませんが
という文言がそうですね。



そして注意ではなく、お願いという姿勢で
接する。相手の協力を求めるスタンス。



何故かと言えば、ルール違反を伝える
以前に、相手の良心に訴えかける。
理屈だけ伝えればいいもんじゃない。



相手の気持ちを害さずに、ルールに
ご協力願う。これに頭を使った。



人間は感情の生き物です。ましてや
特別な権限が与えられている訳では
ない、警備員という立場。



もちろん、施設管理権はあるけれど
それを盾に排除すればいいもんじゃない。



苦情が来れば、評価は下がります。
警備における最上の成果は、トラブルに
ならなかったということ。



ルールに従ってもらうという結果と、
トラブルにならなかったという結果が
セットになって、評価されます。



言われてみれば簡単な事かもしれません。
しかし、それに留意・実践しない人が
多いのも事実なのです。



警備で頭一つ抜けるコツみたいなもの
ですが、補足も兼ねて私の経験から。
それは相手に赦(ゆる)しを与える。



それはどういうことかと言えば、上記
スケボーもそうだけれど



やっちゃいけない場所で、禁止行為を
していた時に、気づかなかったことに
する。たとえ気づいていても。



ここでの行為禁止はご存じなかったん
ですよね、次回からはご遠慮願います。
と伝える。



または釣り禁止の場所で釣りをしている
人に、いきなりやめて立ち去れではなく
後一匹釣れたら終わりにしてくださいね。



禁止行為をしている人は、何となく
罪悪感がある事が多い、そこを直接
突っ込むと角が立つ。



そこで、今回は気付かなかったことに
して、次回からはやめてくださいと
釘を刺すのです。



人は責められると反発します。
従う気持ちが出てくるのは、赦しを
与えるから、という僕の持論です。



警備と言う業務の範疇では、人付き合い
や人間が好きか嫌いかというよりも
角を立てないスキルが重要。



学べば、誰にでもできることです。



逆にコミュニケーション能力に自信が
ある人ほど、失敗しやすいのかも
知れませんね。



コミュニケーションとは、その場
その場に合った文言があると
いうもの。



加えて警備員には、特別な権限が
ないことは、新任教育でも特に
強調されます。



特別な権限とは、ざっくり言えば
警察官の持つ権限と見ていいでしょう。
拳銃の所持、職務質問など捜査の権限。



一方先述した施設管理権は、占有者から
委託されるもので、一般私人のできる
範囲内に収まります。



困ったのは、警備服を着ていると
何か特別な権限を得ていると勘違い
した人が、上から目線でものを言う。



一般人からしたら、警備服を着ている
だけで、威圧感がある。警察と勘違い
する人もいるでしょう。



もちろん占有者からは、警備する
施設の顔を期待され委託されるの
でしょうから、権威はあっていい。



権限はないけれど、権威はある。
これが警備員の着る制服の印象です。



その辺を理解して、高圧的にならない
コミュニケーションに留意する。
相手の良心に訴えかける。


それでもどうにもならければ、
占有者に介入してもらい、場合に
よっては、警察を呼ぶことも。



そんな事案に遭った時でも、
自分が自信を持って対応したなら、
お咎めは受けないはずです。



但しブラック企業なら、その限り
ではありませんが・・・



何に自信を持つのか?
警備仕様書やマニュアル通りに
業務遂行したということ。



他の仕事でもそうですが、特に
警備は、勝手な事をする隊員が
一番扱いにくい。



命令口調で指示したり、いろいろ
勝手な判断をされると、尻拭い
する方は大変です。



前述した、権限はないけど権威は
ある警備服。これを着てどんな
コミュニケーションを取るか。



これを意識して、角が立たないように
留意する警備員は、頭一つ抜けます。
それだけ、できる人が少ないのです。



売り言葉に買い言葉と言われる
ように、トラブル発端の多くは
コミュニケーションです。



警備でなくても、丁寧語で相手に
ケンカを売る人もいるくらい
ですから



警備マニュアルを理解し、角が
立たないコミュニケーションを
心がけるのは、警備員のスキル。



これを平素から実践していれば、
もしトラブルになっても、庇う人が
出てくるでしょう。日頃の行いです。



手を抜いているのではないのに、
トラブルが少ない。手がかからない。



上司や組織に対しても、安心を売れる
警備員は、評価されない訳がありません。




























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