現状維持は悪なのか



進歩・向上・発展・・・
現状維持は後退と同じ。
こんなワードを良く目にします。



現状維持は会社を潰す。経営者や
フリーランスにとっては常識かも
知れません。



今回は、現状維持が雇われ労働者に
とって果たして悪なのか、という
話をします。



ぶっちゃけ結論から言ってしまうと、
従業員に対し過度に進歩向上を求める
経営者や上司は、エゴでしかない。



もう年功賃金・終身雇用時代ではない
のです。従来のインセンティブは
もはや存在しない。



ほとんどの企業は、儲かっても賃上げ
せず、配当金アップ、自社株買い、内部
留保、法人税減税で株主還元。



かつて僕の勤めたビル管理会社も
そうでした。上司から進歩がないと
ガナりあげられた事も。



全国系列の会社で、地場中小警備会社と
比べれば、会社然としていましたが
警備は片手間のブラック企業でした。



お前が求める進歩の延長上に何が
ある?賃金が上がるのか。人事権が
強くなるのか。雇用が保証されるのか。



所詮1年契約の社員に対して、
求めすぎ。これが行き過ぎた株主
資本主義のなれの果てでしょう。



漫画家の故・青木雄二さんはこれを
予見したかのようなことを著書で
語っていました。



こんなご時世だから、事なかれ主義
になるのも無理はありません。



幹部が給料を取り過ぎず、責任を
取ればここまでひどくなることは
なかったはず。



末端の労働者にとっては、やっても
やっても搾取される構図に
なってしまっている。



この搾取のための方便が、進歩向上
発展というワードではないか、と
勘ぐっています。



搾取をかわすためには、現状維持は
防衛手段の一つと言えるでしょう。



警備業で働くのは、労働者にとって
現状維持に資すると観ています。苛烈な
競争社会の本流から離れたメリット。



但し現状維持については条件があります。
まず、経営者のスタンスを知っておく
必要があります。



投資を渋る経営者で、大きな発展を
望まないならば、平隊員で現状維持。
リーダーになるのは勧めません。



それは、割に合わないから。
職責に対して報酬が追い付かないし
その延長上に出世はない。



まぁ、管制職くらいにはなれるかも
知れません。



それでも地場中小警備会社で
幹部になる人は決まっています。
そう、出来レースです。



ヘッドハンティングで社長からスカウト
されたのならともかく、外様のそれも
一兵卒を幹部にするでしょうか。



中には幹部にするという「疑似餌」
をちらつかせて、際限なくあなたの
人生を搾取しようとする会社も。



一方警備には入札に伴い、仕事を失う
リスクが付きまといます。



現場の一兵卒が求めるのは、出世では
なく、長く勤められる安心感なのです。



指導教育責任者の資格を取り、会社から
選任されると、会社が警備業法違反した
時には、連座して罰せられます。



最悪、資格は全てはく奪され、5年間
警備員・警備業者になれません。事実上
の業界追放処分です。



少なくとも、進歩向上した先に何が
あるのか、キャリアパスの方向性さえ
示せないの会社であれば、危険です。



ただ命じれば、従うだろう。
公務員出身の幹部ならありがちです。
使われる側はそんなに単純じゃない。



かたくなにリーダーを断り、平隊員と
して警備を続ける。これが現状維持と
しての危機管理ではないでしょうか。



ただその現状維持の中でも、もう
1ランク上の危機管理を提案します。



それは、勤めは現状維持ながら新たな
生き方の実験をする。



天職先を模索するのでもいいし、副業
に挑戦するのでもいいでしょう。



勤めでは、新たな生き方の実験を行う
余力を残す必要があります。すなわち
拘束時間が長すぎる仕事はNG。



要するに、勤めでは守りを重視して
新たな生き方の実験という攻めの
余力を残す。



進歩向上発展に報いる仕組みや環境も
なく、ただやれというスタンスの会社
は、人がついてこないでしょう。



雇われの立場では、仕事の多くは
命じられやらされるもの。



しかしながら、進歩向上については
「MUST」ではなく「WANT」でやる
方が生産性は上がる。



進歩向上を他人の価値観でやらされる
ならば、注意が必要です。



ところで、自分が最初に勤めた
地場中小警備会社A社は、その辺の
塩梅(あんばい)が上手かった。



給料はこれだけです、基本的に
昇給は期待しないでください。
ボーナスは寸志程度です。



業界的にはありふれた待遇です。
但し、業務については過度な要求を
しませんでした。



現場をつつがなく回してくれれば
いい。資格も取りたければ取れば
いい。



今はどうか知りませんが、A社に
資格手当なるものはありません。



警備隊の隊長になると、スズメの
涙ほどの手当がついたようです。



それでも、なんとか生活していける
給料は出るし、進歩向上を求め
過ぎないスタンスは働きやすい。



良くも悪くも「分相応」で収まる
A社のマネジメントはなかなかです。



地場中小警備会社でも、下手に
会社然としている所は、離職率も
高かったりします。



最低賃金で、従来の労働者への
要求を行う。



これはどういうことかと言えば、
終身雇用・年功賃金とセットになった
指揮命令権が活きている。



地場中小警備会社は、終身雇用・
年功賃金で従業員を使う設計には
なっていません。幹部を除いて。



しかしながら、異動などの世界一
厳しい指揮命令権(人事権)は
旧態依然としてある。



ある隊員さんがぼやいていましたが
こんなに頻繁に現場異動があると、
1年先の収入も計算できない。



警備で働く者にとって、長く働き
続けられる安心感こそが、最大の
福利厚生だったりします。


それを根底から揺るがす労務管理は、
離職率を上げる原因にしかなりません。



会社は個人の事情で動いていませんが、
個人が生活できなければ、働く価値も
ないのです。



ある人が、上記の会社の在り方を
揶揄するように、自分たちは一流と
いった思い込みがあると評していました。



それでも潰れずに会社が回っていれば
資本主義的には正解なのでしょう。
個人的には働くのはお勧めしませんが。



警備からの転職でも同じです。
給料に見合った待遇なのか。
過度な進歩向上を求めていないか。



特に警備に近い、異業同職なら
非正規に近い待遇でしょう。
続けられる環境でないといけない。



待遇はそこそこでも、続けられる
環境の方が、吉と観ます。



続けるために、努力を意識しないと
いけない環境は、あまり勧められない。



向上心がないと、お叱りを受けるかも
しれませんが、今のご時世やりがい
搾取も警戒しないといけない。



いかに自分を守って、長く続けるか。
この生存戦略も、現状維持という
手段を使うという選択肢もあるのです。







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