指摘より気づきを促す

今回も、コーチングに関する記事です。
理想とするマネジメントの形について
語ります。



部下を持つ人、指導者的立場の人に
参考になれば幸いです。



さて、タイトルにある指摘するより
気づかせるには、どういったスキルが
要るのでしょうか。



それは相手の自尊心(プライド)を
守る事に留意する。



どんなに言っていることが正しくても、
相手に恥をかかせたり、反発させるなら
成長はない。



それどころか、この人ウザいなと
思われた時点で、ついて行こうとは
思われなくなる。



ビジネスでもそうですが如何に正しく
ても、相手に恥をかかせたり面子を
潰してしまうと禍根が残る。



以前警備員を指導していた時に、
挨拶をする時に頭を下げ過ぎて、
目線を切ってしまう警備員を発見。



僕は彼の所に行き「頭を下げるのは
とてもいい。相手に敬意を払う行為」
と前置きした上で



「だけれども、目線を切ってしまうと
相手が攻撃してきた際、対処が遅れる」



有事を想定して警備員はまず、
自分の身を守ることの重要性を教えました。



ところがこう言ってしまったら
どうなるか。



君は頭を下げ過ぎだ。相手が攻撃して
きたらどうするんだ、と落ち度のみ
「指摘」する。



その警備員も、自分で良かれと思って
やっている。それを否定から入っては
自ら成長する気持ちを折ってしまう。



と同時に、この人ウザいなと思われた
時点でついて来なくなります。



または、うるさく言う力で抑える系の
人なら、その人の目が光っている時は
言われた通りするけれど



いなくなった瞬間、手を抜くように
なる。元の木阿弥になるわけです。



教育やコーチングは、それをする人が
いなくても、自然にできるようになる
のが目的なのです。



こうして見ると、貴方の周りには
気づかせる事よりも、別の事の方が
大事になっている人がいませんか。



それは、自分の正しさを証明する事に
躍起になる。



これをすると部下はついて来なくなる、
マネジメントのタブー。



相手の成長ファーストで指導や
コーチングを行っている人がどれだけ
いるのでしょうか。



言っていることは正しくても、実は
マウントを取って自分の価値感を
押し付けたい?



僕自身も、身につまされます。
心の点検を怠る事はできませんね。



「マネジメントとは権力ではない、
人を活かす責任である」



マネジメントの神様、ドラッカー氏も
こう言っています。



いかにして相手のプライドを守り、
気づいてもらうか。



人は、自ら変わろうと思った時にしか
変われない。



第一言葉で人を変えよう、コントロール
しようという考えが、傲慢なのです。
いかにして気づいてもらうか。



もちろん、危機が迫っている場面では
強い言葉を使うのもやむを得ない
でしょう。



それでも長期的に指導しようと思ったら
相手の気づきを促す努力がいる。



コーチングで大事なのは、指導する方と
される方の、意識の温度差が少ないこと。



相手のプライドを守るのも、まずは
意識の温度差を縮めることから始まる。



初めから拒絶されたら、指導もあった
ものじゃありまえんからね。



こうしてみると、コーチングはいかに
正しいことを言うかよりも、伝える
お膳立て作りが重要。



相手にこちらを向かせて、聞く耳を
もってもらわないといけない。



言っていることが正しければ、指導
したことになったのは、昭和まで。



労働者が多くいたころは、見て覚えろ
ついていけない奴は去れという、
「選別」がまかり通っていました。



これからは、育たないのは部下が
悪いのではなく、指導する側に
問題があるという評価になります。



人手不足の環境下では、雑な指導を
すると評価が下がるのです。相手の
成長ファーストでしないといけない。



加えて、マネジメントを行い結果を
出す必要があります。セキュリティの
仕事なら



トラブルがなかった、あっても被害を
最小限に抑えられた。これが最上の
結果です。



口ではいくら立派な事を言っても、
トラブルに塗れては、誰もついて
こないでしょう。



トラブルがない、または最小限に抑えた
という結果を積み上げる事で、組織内の
信用を得る。



この人が現場を回せば上手くいくと
思われれば、マネジメントとしては
成功です。



こうして見ると、リーダーや指導者は
人徳や人望が大事だと気づきます。



知人の警備員に、地元自治体施設の
責任者(隊長)をしている人がいます。



本人曰く「自分は責任者に向いていない」
だけれども、クライアント側の要請で
責任者になった。



彼は力で部下を抑える昭和に良く見られた
タイプのリーダーではありません。



知識や行動も大事だけれど、クライアント側が
彼を責任者に推した理由は、安心感では。



もっと言えば、この人を責任者にすれば
大きなトラブルにはならない、と。



言語化するには難しい要素ですが
前出の「人徳」がそうではないか。


逆に、どんなに弁が立ち言っている事は
正しくても、トラブルを呼び込んでしまう
人もいます。



これは中年以降になると、その人の生き様に
見て取れる。普段から何を考え、どう行動して
きたか。



警備の責任者もそうですが、同じような能力で
夜間の責任者を任せると、ある人は大した事案
もないのに、ある人はトラブル続き。



もはや徳以外の説明をつけるのが困難です。
トラブルが降りかかるものではなく、
引き寄せるもの。



トラブルを引き寄せてしまうのは
徳がないから。私の持論です。



責任者に限らず、警備では最後は人柄に
評価は行きつくようです。



要領良く立ち回って、他人を出し抜いても
その分敵を増やしてしまっては、中年以降
世間が狭まってしまう。



警備の現場はマウントの取り合いで
権力闘争もある。



それを生き延びてきた人が必ずしも
責任者に向いているとは限らない。



かつて筆者が仕えた警備隊長で
「上司は嫌われるのが仕事」が
口癖のような人がいました。



舐められないようにしろ、という
意味と解釈しますが、そうであっても
パワハラをしてよい理由にはなりません。



おそらくその隊長は、かつての上司から
されたことを、形だけ部下にやっていた。
パワハラ行為もそうでした。



部下にダメだと禁止した行為を、隊長は
自ら行うダブルスタンダード。嫌われる
以前に、信用をなくしていったのです。



気に入らない部下を因縁をつけて
解雇したのが禍根になり、臨時入札で
警備隊ごと変えられる結末になります。



上司としての権勢を振るう前に、
社会人として真っ当な振る舞いで
あったのか。



これが出来ていない人は隊長クラスでも
散見します。そんな人を隊長に据える
会社側の人事も問題ありです。



上記を改善する気がない組織なら、
転職で環境を変えることを
検討するのも一考です。














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