今回は、警備に限りませんが
危険な組織の兆候としてあるサインを
紹介したいと思います。
結論は、タイトルにあるように
(問題のない人が)静かに去って
行く。
逆に、警備もそうですが
問題のある人ほどなかなか辞めない
ものです。
ある経営者の人が言っていましたが、
ルールを守らない人に「やめてくれ」と
言うと波風がたつが、組織は健全になる。
一方で、誠実でルールを守る人が静かに
退職していったときほど、問題が
なさそうで組織は赤信号。
優秀な人は神様のようにそっといなくなる。
表面的な平穏は、内部の腐敗を隠す
ベールだと忘れてはいけない。
静かに辞めていく人は、一般的に
手のかからない従業員であることが
多い。
使う側が管理が楽だからといって、
フォローを怠っていると、積もり
積もった不満が爆発。
それが退職と言う形で出てしまう。
危機管理する側としては、いかに早く
アリの一穴を見つけるかが生命線。
普通、辞めていく人は本当の理由を
言わないもの。
それでも、退職代行サービスの台頭で
可視化されるようにはなってきた。
人が辞める理由はそれぞれで
新人が辞める理由は「話が違う」
中堅が辞める理由は「人間関係や報酬」
優秀層が辞める理由は「評価制度が曖昧」
いずれにしても、仕組みに問題あり。
小さな会社(地場警備会社もそう)は
上司のえこひいき人事もありますね。
それを許すのも仕組みということか。
これといって問題のない隊員が辞めて
いった時には、その原因を突き止めて
対策しないと、組織は衰退する。
辞めて欲しくない人から辞められるのは
組織の宿命かも知れません。
それでも回っていけば、まだいいの
でしょうが、破綻するケースもある
のです。
警備なら、クライアント側から見限られ
臨時入札で切られる。過去僕が聞いた話
です。
それでは、どんな組織が危ういのか。
個人的に2つ挙げます。
①トップが変
②現場レベルでの越権行為
①は大きな組織でもあり得ます。
社長が筆頭株主を兼ねていればもはや
絶対王政です。
そうなるとどうなるか。家老クラスの
幹部に、詰め腹を切らせることで
責任を取らせ、社長は責任を取らない。
それ故、周囲にはイエスマンしか
いなくなります。
上司が他責になると部下も他責になる
ものです。
現場レベルでは、手段を問わず自分の
言い分を通した者の勝ち。暴言恫喝は
言うに及ばず、手が出ることも。
現場はトップの相似形なのです。
そんな組織は避けましょう。
ただここで、ワンマン経営が一概に
悪いわけではありません。
地場中小警備会社では。オーナー
経営者が一般的です。会社も従業員も
自分のもの。
そこで問われるのが「徳」なのです。
ワンマンでも、徳のある経営者なら
組織は回っていく。
この徳ですが、どれだけ悪い話が聞こえて
こない、これが一応の目安になるでしょう。
それと、変な辞め方をする人が少ない。
次に②ですが、現場隊長レベルで
越権行為とはどのようなことか。
以前勤めた警備会社で、隊長判断で
仕事のできない隊員を当務から外し、
日勤だけのシフトを組んだ。
今思えば、いじめに近い行為であった
でしょう。しかし、それより問題で
あったのは、現場隊長判断でやった事。
シフト(労務管理)は人事権のある
支店長の承認がないといけません。
ところが、上記シフトの変更は
支店長が知らない所で行われていた。
後で支店長に知れて、事後承諾という
形をとったのでしょうが、こんな事が
まかり通る組織は問題ありです。
隊長は人事権もないのに、始末書だ
クビだと現場で連呼していました。
部下を恐怖で支配するためです。
隊長は人事権があるふりをしていた。
部下に逆襲され自分がクビになることに、
怯えていたのは想像に難くありません。
上記のような問題組織は、問題のない
人から辞めていくもの。それも連続して
辞めるようならかなり危険です。
ブラック企業は入ってすぐ分かりますが、
ブラックとはいかなくても、長期的に
衰退する組織では働きたくありませんね。
上記のような組織に入ってしまったら、
焦る必要はありませんが、戦略的に
転職活動を行うのは、良い対策です。
こんな職場は退職前提で勤めるのが
ベターですが、転職が決まるまで
生き延びなければいけない。
そこで、どうやって生き延びるか。
時間を稼ぐか。
ヒントのような事を言えば、
責任ある立場に就かないこと。
以前僕は、上記のような職場に
勤めたことがありました。
全国規模のビル管理会社でしたが
社長はワンマンどころか絶対王政。
直属の部下である、支店長クラスの
退職が絶えませんでした。
そんな会社なので、現場も隊長が絶対。
お気持ちの沿えない部下は、排除するぞ。
ミスをした部下には、始末書&クビを
連呼。それが嫌なら弁当をおごれ。
ぶっちゃけ、恐喝です。
そんな隊長の直属部下である副隊長に
なってしまったらどうなるか。当時は
便宜上班長と呼んでいました。
隊長によるパワハラの餌食になるのは
見えています。直属の部下を叩くしか
ないからです。
そして班長の部下たちも、他責になり
ルーチンワーク以外はしなくなります。
それでいて班長に対する文句だけは百人前。
下手に頭角を現わし、班長にされれば
身を滅ぼしてしまう。隊長直属の
責任者になるのは、デメリットだけ。
これは上司が他責になると、部下も
他責になることを示しています。
上司が責任を取らず、部下を叩き
排除することに躍起になっていると
末端の部下は、上記のようになります。
そんな隊長と部下の板挟みになる
班長。誰がするかという気持ちに
なって当然です。
僕はそんな班長(会社の人事では
警備主任)を辞めたしまいます。
その後現場はどうなったか。
班長をする隊員がいなくなり、
時間帯責任者と名前を変え
輪番制となりました。
それでも部下の他責ぶりは変わらず
仕事をしない部下は、他人に振る始末。
新しく入って来た新人も、短期間で
辞めていき、入れ替わりの激しい
職場に。
そんな折、隊長のパワハラでクビに
なった元部下であろう人間が、
インターネット掲示板に書き込みを。
職場の黒歴史を暴露するものでした。
クライアント側がこれに気づき、
隊長に確認するも万事休す。
臨時入札が行われ、実質契約解除と
いう形で、現場ごと切られたのです。
隊員は全員解雇。
これは上司も部下も他責になった
末の成り行きだったのですが、一部の
エゴが暴走した結末だったのです。
そうなる前に、手を打って欲しい。
ちなみに上記の現場で全員解雇に
なった隊員たちですが
その後いい話を聞きません。
沈みゆく船に巻き込まれると、
その後が大変になります。
組織の黄信号・静かに去って行く人

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