人件費削減の代償



「人件費を削減したら、削減以上にお金が
 消えるって、いい加減日本人は理解した
 ほうが良い」



こういった投稿がSNSにありました。
さらに続きます。



「人件費を削減して、事業が立てなおった
 例をあまり知らないので、誰か成功例
 あれば、教えて下さい」だそうです。



自分は知りません。今回は、人件費を削減
する事が、逆効果になる教訓について。



自分が警備業界最初に勤めた地場中小
警備会社A社であったこと。



地元の市役所警備を、破格の値段で
落札しました。奇襲攻撃と言っていい
でしょう。



しかしこのしわ寄せを、現場の隊員に。
前業者が9人体制の所を、7人に削減。
年収ベースでも一人当たり100万削減。



今なら叩かれて却下されたでしょう。
それほど法外?のダンピングでした。



そんなA社に業を煮やした前業者?は
数年後市議会で、A社を次の市役所入札
に参加させない事を議決しました。



ここまではよくある話です。A社は子会社
を作り、入札に参加することに。



但し、子会社は規模的に市役所入札の
資格に達しませんでした。そこでA社は
子会社を大きくする工作をします。



これはリスキーな行為で、落札できなかった
場合、多額の損失を出す事に。



そもそもA社が子会社で入札に参加する事は、
仕掛けた側にしてみれば、計算通りだった
のでしょう。



子会社は負け、数千万の損失を出しました。
A社の市役所警備での利益が飛んだものと
思われます。



こうして自分はA社を辞め、業界2番目に
勤めるB社に転職する事になりました。



次に就職したB社はA社と打って変わって
全国規模のビル管理会社。ここでも自分は
地獄を見る羽目に。



主に、外資系保険会社ビルを警備するB社。
当時地元では破格の待遇でした。



ただB社も、僕が入社した時は既に下り坂。
リーマンショックで本性を現しました。



自分が入社した時は、前隊長を排除して
新隊長が自分を招いた形で始まりました。



警備隊を立て直す必要性を新隊長は強調
しました。原因は前隊長の指導力不足。



しかしながら新隊長は前隊長よりも、
指導力に劣っていたのです。



それと同時にB社は、人件費を削りだし
たのです。責任者の手当もどんどん削られ
ました。



リーマンショック後は、2人のクビを
切り(後に1人補充)カツカツの状態に。



施設警備検定者の自分は責任者(班長)と
して、警備隊のスキルアップ指導を
行っていました。目的は検定受験のため。



上記の解雇劇で、人を削られそれどころ
ではありませんでしたが、隊長はそれを
許しませんでした。



成果の上がらない訓練。進歩がないと
いきり立つ隊長。自分は際限なく追い詰め
られていったのです。



僕が退職後、責任者をする隊員がいなく
なり、B社はクライアント側の信用を
失い、臨時入札でTHE END。



警備員としての指導力もないのに、
立て直しを連呼する隊長は大それたことを
言うもんだ、と回想したものです。



立て直すというのは簡単ですが、どれだけ
のコストと手間がかかるのでしょうか。



B社警備隊を本気で立て直すなら、警備員を
半分以上入れ替え、外部から指導力に長けた
警備のベテランを呼んでくるべき。



警備隊の進歩向上に貢献した隊員には、
それなりの報酬を与える。これくらい
しないと無理。



こうなると立て直しより、一旦御破算にして
新規立ち上げの方がマシ、とさえ思います。



警備はコストをかけるのを嫌がりますから。
グダグダになってしまった組織を立て直す
のは、至難の技なのです。



結論として、業界の実情を鑑みれば
警備隊の立て直しはするもんじゃない。
これは自分個人の意見。



加えてB社は、検定の取得さえ消極的でした。
警備は片手間だったのでしょう。



コストをかけずに、人的資源のみを当てに
立て直しを期待する経営者は、ぶっちゃけ
「徳」がない。



戦国武将立花道雪が、主君大友宗麟を諫めた
時の言葉「人を弄べば、徳を失う」がまさに
それ。



徳がないから、ブラック企業といえるの
でしょう。小さい会社は経営者の在り方が
ほぼ全て。代表者の徳が問われる。



大きな組織でも、前出のB社のように
ワンマンどころか、絶対王政では
代表者の徳が問われます。



徳のない組織では、根詰めて頑張らない
ことが、貴方の身を守ります。早めの
脱出を考えましょう。



さて、徳のない組織と言いましたが
どんな特徴があるのでしょうか。



改革と称した試みが、裏目裏目に
出る。現場の不満は溜まるばかり。


それも朝令暮改よろしく頻繁に変わり、
現場の隊員が振り回されれば尚更です。



それでいて既得権益者は影響を受けない。
美味しい立場はそのまま。



結局B社は、内部通報よろしく
不祥事がクライアント側に知れ、
臨時入札に負け、THE END。



警備する物件は地元に一つしかなく、
入札に負ける事は、解雇を意味します。
B社隊員は、全員解雇になりました。



2名ほど、会社が変わっても現場に
残りたいという隊員がいたようですが
クライアント側は認めませんでした。



組織としての徳を損ねた結果でしょう。
ここから得た教訓は、徳のない組織は
兆候があるということ。



具体的には、人を集めるためのエサ
よろしく、好待遇を謳っていても
人が集まれば、削減に入る。



自分がB社に入る直前には、夏季休暇
なるものがあったそうです。これを
使って旅行に行く隊員も。



その後自分が入社し、さらなる待遇の
改悪が行われました。



入社一か月ほど経った頃、上司が
労働条件通知書を差し替えると指示。
どんな内容だったか。



当初は、有給が入社三か月後に発生する
と明記してあったのを、半年後に改悪。
本人が了承したという建前でしょう。



今なら、労働局に相談するレベルです。
これがブラックの始まりだった。



これがリーマンショックをきっかけに
ブラックの本性を現すのです。



労働者として、これは変なんじゃないか。
この違和感を大事にして欲しい。



違和感が確信に変わった時、もはや
ブラックです。



もう一つ、徳のない組織は
分断を生んで、エスカレート
させる。



前出のリーマンショックの後、
B社は2人の隊員を解雇しました。
補充を行うのは1人だけ。



補充まで約2か月ありましたが、
2名減でシフトを回すのは、正直
労基法に引っかかっていないか。



そんな疑義の声も上がりました。
一人の隊員が、受付担当の女性隊員を
土曜日だけでも、出勤できないかと提言。



土曜など、休日は男の警備員が
受付も兼務していました。



隊長は即座に却下。「契約が違う」
それなら別のとこから応援をよこせ。
それもしなかった体制側。



この分断が、後の不祥事内部告発への
遠因となるのです。



人件費を削るのは、徳も削る。
徳を削れば、人は去って行く。



組織レベルで起これば、現場一つ
消えるなんて事に。そうなる前に
脱出を検討しましょう。






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