今回は、少しヘビーな話をします。
警備に限った話ではありませんが、
貧困の現状に迫ります。
さて、タイトルにあるように
警備員の貧困とは何でしょうか?
具体例を挙げていきます。
施設警備で、欠員1のままで
行かないと、暮らせない給料。
これは、他現場の応援に行かざるを
得ないのとほぼ同じ。
要は、自分の時間(人生)の切り売りを
をしなければやっていけない。
労働者なら程度の差こそあれ、皆同じ
ようなものですが、警備はそれが深刻。
使う側にしてみれば、少ない隊員で
現場を回せるのですから、願ったり
叶ったりなのです。
応援や、無理な勤務を受け入れてくれる
(これも貧困が根底にある)隊員には、
エスカレートしていきます。
逆に、応援や超過勤務を拒否する
隊員は「愛社精神がない」などと
批判され、最悪干されるリスクもある。
その状況で使う側は、人が足りない
足りないと連呼します。
第一「人手不足」という問題は、実は
多くの場合「給料の低さ」が原因なのです。
長時間働いてもそれに見合った報酬が
得られず、退職者が後を絶ちません。
会社は「人手不足」に悩んでいますが、
給料を上げることには消極的で、結局人材は
定着しません。
給料を適切に見直さなければ、いつまでも
「人手不足」の悪循環から抜け出せない。
人手不足に対して、賃金UPで対応する
警備会社がどれだけあるか。
地元業界なら横並びで、大差はないと
観ます。それでも現場が回ればいい。
ところで、選挙の度にSNSなどにUP
される候補者の食事風景。
忙しい合間を縫って、バタバタと
コンビニ弁当を食べたり、
牛丼チェーン店で外食をしたり。
一種のパフォーマンスでしょうが、
庶民の神経を逆なでしているケースも
あるようです。
もはやコンビニ弁当や牛丼チェーンも
常食できるレベルにない、そんな人が
増えてきている。
政治家や経営者で、貧困層の気持ちを
慮れない人が増えてきているのでは
ないか。
話は脱線しましたが、現場の隊員たちの
貧困レベルを知らないで、自分たちは
一流だと思っている警備会社も。
年金を貰っている人が働く前提の
給与レベルになっている、そんな
会社もあるかもしれません。
それでいて、自分達が期待している
人材が来ない、のは虫が良すぎる。
そんな状況で、僕みたいな資格や経験を
持った40代半ば(当時)の隊員が
来ると、徹底的に捕縛しようとします。
僕はこの貧乏くささが嫌になって、
警備業界を去ったのです。
これを僕は転職で改善しました。
しかし、リスクを伴います。
業界内にとどまり、改善はできない
ものなのでしょうか。
一つ目安になるのが、まっとうな
労働組合があるかどうか。
イオンディライト労働組合が、
夜勤中の仮眠時間を労働時間と
認めさせる処遇改善を勝ち取りました。
処遇改善は、現状労働組合でしか
勝ち取ることができません。
不当解雇や賃金不払いなど、労働契約上
のトラブルなら、外部ユニオンを利用する
事もできます。一人でも入れる労働組合。
ただ長期にわたって処遇改善したいなら、
組合が会社に交渉継続するしかありません。
以下は労働組合の副産物ですが、
組合活動と連動して、福利厚生を厚く
することで、可処分所得を増やす。
それなら最初から、福利厚生の厚い
職場に行った方がましと考える人も
いるかも知れません。
リスクを冒して、もう少しましな
待遇の職場に異業同職の転職をするか。
これは、僕の選んだ道です。
それとも業界内で、組合活動を通じて
粘り強く交渉を行い、処遇改善を
勝ち取るか。
貧困を改善するには上記の二択になります。
どちらにせよ、労力の要る行為です。
忙し過ぎてままならないという人も
いるでしょう。
そこで「溜め」を作るために
一旦労働を離れる。時間・体力など
自分の人生を取り戻す。
何度もお勧めしている職業訓練が、
利用する価値があります。失業給付を
貰いながら、訓練に行ける。
自分を取り戻してから、じっくり
考えるのを勧めます。人生に関わる
ことなので。
警備に限ったことではありませんが、
貧乏暇なしの貧困状態の最大の悪は、
思考停止に陥ってしまうこと。
警備をやっている知人曰く、
給料安い、辞めたい辞めたい・・・
そんな同僚の声が聞こえてくる。
しかし、どうやっていいのか
分からない。
これは、日常が忙し過ぎて
思考力(想像力)が奪われて
しまっている。
溜まったストレスを解消しようと、
飲む打つ買うに消費が向かえば、
貧困のループから抜け出せない。
これが使う側にとって美味しいから
そうしているのです。小賢しい知恵を
つけてもらっては困る。
こうやって年金を貰う歳まで、
いや年金を貰いながらでも体の
続く限り働いて欲しい。
警備業界は人が足りません。
厳密に言うなら、有為な隊員が
足りていない。
そこである程度使える隊員や
資格を持っており、現場責任者が
できる隊員は手放したくない。
コストダウンと、従業員の人生を
捕縛する一石二鳥の在り方が、
警備員の貧困なのでは。
使う側の戦略を知った上で、どう
立ち向かっていけばいいのか。
まずはマインドセット、自分は
警備員しかできないという、
固定観念を捨てること。
本当に警備員しかできないだろうな、
といった人も見かけます。一方で
使う側の刷り込みの可能性も否定できない。
思考停止を脱し、視野を拡げれば
警備以外の仕事に就くのも不可能じゃ
ない。これは僕の経験から。
但しそこにたどり着くには、自分を
取り戻すことが必要です。忙し過ぎる
日常がそれを阻む。
自分を見失ったまま、転職活動を
しても、使う側の思うつぼ。特に
警備業界内転職はそうですね。
やはり、自分を取り戻すための
時間が必要です。
とは言え、無職になれば生活費の
ことや、再就職のことが気になり
おいそれとは実行できない。
経済的に許されるなら、時間の短い
バイトについて、緩く働きながら
自分を取り戻す。
上記の方法のメリットは、履歴書の
空白期間を無くし、再就職に対して
不利にならない。
もう一つは、何度も勧めている
職業訓練に行く。半年のコースが
お勧めです。
その理由は、半年あれば自分を取り戻し
人生の流れを変えることも可能だから。
条件はハローワークで要確認です。
結論として、貧乏暇なしで思考停止の
貧困から脱するには、時間を創り出す
こと。
時間を創り出す転職や、職業訓練を
活用する方法を紹介しました。
最低限のセーフティーネットとして
失業給付が出るかの確認はした方が
いい。
その確認も兼ねて、辞める前に一度
ハローワークに行く事を勧めます。
職業訓練の募集掲示も要チェックです。
警備員の貧困は改善できるか

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